研究課題/領域番号 |
22K09962
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
野崎 剛徳 大阪大学, 歯学部附属病院, 准教授 (30263304)
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研究分担者 |
石濱 泰 京都大学, 薬学研究科, 教授 (30439244)
豊田 岐聡 大阪大学, 大学院理学研究科, 教授 (80283828)
大塚 洋一 大阪大学, 大学院理学研究科, 准教授 (70756460)
三浦 治郎 大阪大学, 歯学部附属病院, 助教 (70437383)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 感染根管 / メタオミクス解析 / 感染根管治療 / メタオミクス |
研究開始時の研究の概要 |
歯科の高頻度疾患である根尖性歯周炎の治療法を感染根管治療という。この治療の成功率は、様々な工夫が行われているにも関わらず向上しておらず、概ね60%から80%に止まっている。申請者らは、その原因の一つが、根管(歯の神経が入っている管)の中に含まれる物質の病原性を、客観的に評価するための検査法が存在しないことであると考えている。そこでメタオミクス(タンパク質や代謝産物の組成や量、相互の関連性などを、質量分析によって複合的に解析する方法)の手法を用いて根管内の病原性物質を探索することにより、治療の予後の悪化と関連性の深い因子を選出して、これを指標とした信頼性の高い検査法を確立するための研究を行う。
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研究実績の概要 |
本課題では、感染根管治療の成功率を向上させるために、根管内容物中に含まれる病原性因子や炎症関連因子の量や構成を探索して感染根管治療の予後の悪化との関連性が深い分子を選出し、これをマーカー分子とした検査・診断法を確立し、感染根管治療の成功率を向上させることを目的とした研究を行っている。 2023年度は、感染根管からの根管内容物や浸出液、根管内壁の削片等の臨床検体の収集を進めるとともに、根管由来の臨床検体と歯周ポケット由来の臨床検体のプロファイルの比較を行うための試験的なメタボロミクス解析を実施することにより、ある複数の特定分子が歯髄組織の壊死や根管の細菌感染に伴って生じる根管の病原性の変化に関連して変動することを確認し、これらの分子を病状悪化の指標となり得るマーカー分子として選出した。また、これらのマーカー分子のメタオミクス解析を簡便で迅速かつ効率的に行うために、検体採取の基材に官能基を導入するなどの工夫を施した検体採取/前処理法を開発し、その方法を発明として届出した。 その一方で、上記マーカー分子を指標とした臨床診断の有用性を検証するために、動物モデルを用いてメタオミクス解析と病理・免疫組織化学・質量分析イメージングを複合した解析を行うための手法の開発を行っており、これによって治療介入による根尖孔内外の病原性因子の量・質や局在性の変化と、根尖周囲組織における炎症反応の遷移の関係を明らかにするための実験の準備を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでに、研究実施計画に基づいて感染根管からの臨床検体の収集を進めて試験的なメタボロミクス解析を実施し、歯髄組織の壊死や根管の細菌感染に伴って生じる根管病原性の変化に関連して変動するマーカー分子の選出を行った。さらに、これらの分子をメタオミクス解析により、簡便で効率的かつ迅速に検出するための検体採取/前処理法を開発し、その方法について発明として届出を行った。 また一方で、動物モデルを用いてメタオミクス解析と病理・免疫組織化学・質量分析イメージングを複合した解析を行うための準備を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は感染根管由来の臨床検体の収集を継続して行うとともに、マーカー分子のさらなる絞り込みを行って、それらの分子と根管病原性の関係を明らかにしていくこととしている。 また一方で、動物モデルを用いて、絞り込まれたマーカー分子を指標とするメタオミクス解析と病理・免疫組織化学・質量分析イメージングの複合的な解析を行って、治療介入による根尖孔内外の病原性因子の量・質や局在性の変化と、根尖周囲組織における炎症反応の遷移の関係を明らかにしていく。
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