研究課題/領域番号 |
22K09964
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
森本 千晶 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (70806801)
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研究分担者 |
藤原 千春 大阪大学, 大学院歯学研究科, 助教 (00755358)
竹立 匡秀 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (60452447)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | FPR2 / 歯周病 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、歯周病の病態形成におけるFPR2の機能を明らかにする。すなわち、マウス歯周病モデルの病態形成・組織修復過程における内因性FPR2シグナルの役割や歯周組織構成細胞あるいは歯周組織に浸潤した免疫細胞の抗炎症作用、エフェロサイトーシス、組織修復作用に対するFPR2の役割について、詳細を明らかにする。そして、人為的なFPR2の活性化が歯周病による組織破壊に対する抵抗性について検討を加える。本研究成果は、FPR2を中心とした歯周組織の新たな恒常性維持機構を解明するのみならず、FPR2シグナルの活性化とその炎症収束機能に立脚した新たな歯周病治療薬の開発につながる情報を提供するものと考えられる。
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研究実績の概要 |
本研究課題では、歯周病の病態形成におけるFPR2の機能を明らかにすることを目的に研究を実施している。すなわち、マウス歯周病モデルの病態形成・組織修復過程における内因性 FPR2シグナルの役割や歯周組織構成細胞あるいは歯周組織に浸潤した免疫細胞の抗炎症作用、エフェロサイトーシス、組織修復作用に対するFPR2の役割について、詳細を明らかにすることを目的に研究を実施している。そこで、絹糸結紮マウス歯周病モデル(以下、マウス歯周病モデル)を用いて歯周病局所におけるFPR2および内因性リガンドの発現解析を実施した。結紮7日目の歯周組織におけるFPR2およびFPR2内因性リガンドであるANXA1の遺伝子発現をin situ hybridization、タンパク発現を免疫染色法にて解析した。その結果、非結紮側に比べ、結紮側にて、結合組織や歯冠側、根尖周囲歯根膜において、FPR2およびANXA1両分子の遺伝子発現の上昇、タンパク発現上昇が認められた。次に炎症性サイトカインがヒト歯根膜細胞(以下、HPDL)からのANXA1産生に及ぼす影響について、in vitroにて検討した。またHPDLを炎症性サイトカインであるIL-1β、TNF-α、IFN-γの存在下で培養し、培養上清中のANXA1濃度をELISA法にて解析した。その結果、IL-1β、TNF-α、IFN-γのいずれの刺激においても培養上清中のANXA1濃度は有意に上昇した。特にIL-1β刺激によりANXA1濃度の顕著な上昇を認めた。以上の結果からANXA1-FPR2シグナルが歯周病の病態形成過程で重要な役割を担う可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和4年度には、マウス歯周病モデルにおいて、結紮7日目の歯周組織で、非結紮側に比べ、結紮側にて、結合組織や歯冠側、根尖周囲歯根膜において、FPR2およびFPR2内因性リガンドであるANXA1両分子の遺伝子発現の上昇、タンパク発現上昇が認められ、さらに、HPDLにおいて、IL-1β、TNF-α、IFN-γのいずれの刺激においても培養上清中のANXA1濃度は有意に上昇することが明らかになった。これは、歯周病の病態形成におけるFPR2の機能の一部分について解明したものであり、研究はおおむね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究課題では、歯周病の病態形成過程におけるFPR2の機能解析を実施する予定である。マウス歯周病モデルに対し、FPR2阻害剤であるWRW4を連日皮下投与することが歯周病の病態形成に与える影響について解析を行う。すなわち、マイクロCT解析にて歯槽骨の吸収量を定量的に解析し、予備実験で得られた結果の再現性を検証するとともに、組織学的解析から歯周組織に浸潤した各種炎症細胞を同定する。一方で、薄切切片のTRAP染色によって破骨細胞を、Tunnel染色によりアポトーシス細胞をそれぞれ検出し、歯槽骨吸収と細胞死に対するFPR2阻害の影響について解析を行う。 さらに、歯周組織構成細胞の炎症反応に対するFPR2シグナルの機能解析についても実施する予定である。HPDLの炎症性サイトカイン産生に及ぼすFPR2シグナルの影響についてin vitroにて解析する。すなわち、FPR2発現を抑制した細胞(siRNAにて導入予定)およびFPR2を強発現させた細胞(レンチウイルスにて導入予定)を作製し、IL-1β、LPSもしくは TNFα刺激した際の、炎症性サイトカインの発現をリアルタイムPCR法、ELISA法にて解析する。さらに結果として、発現に有意な差が認められた場合、メカニズムの解明としてIRAK1およびTRAF6のタンパク発現の検討を加える。なお、内因性リガンドの効果が十分に確認できない場合には、外因性リガンドを添加することでFPR2シグナルを増強させることで解決を試みる。
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