研究課題/領域番号 |
22K09981
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
小河 達之 岡山大学, 医歯薬学域, 助手 (10346421)
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研究分担者 |
丸尾 幸憲 岡山大学, 大学病院, 講師 (60314697)
長岡 紀幸 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (70304326)
吉原 久美子 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (90631581)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 覆髄材 / カルシウム / モノマー / 歯髄 / レジン / デュアルキュア |
研究開始時の研究の概要 |
カルシウムの溶出量が高く、高アルカリで硬化するMTAセメントは臨床的において高い歯髄保護の成績が報告されている。一方で、粉末と液体を練和する現在の市販MTAセメントは、難操作性であり、歯質への接着性がないために辺縁漏洩が生じる。歯質接着性モノマーと親水性モノマーを応用したレジンを添加したMTAセメントのプレフィルドシリンジタイプを開発すればこれらの問題点を解決すると考えた。本研究ではカルシウムの持続的溶出と、歯質と接着性を併せ持つレジン添加型MTAセメントの試作をし、機械的強度、抗菌性、細胞親和性の評価に加え、動物実験にて歯髄反応・再石灰化の検討を行い、最終的に臨床的に有効な組成を確立する。
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研究実績の概要 |
歯髄保護は、偶発的露髄などにより歯髄が外界に露出した場合に行うもので、感染を防ぎ、外からの刺激の遮断をすることが不可欠である。これまでにさまざまな材料が検討されてきた。その中でもMTAセメントは、硬化性が高く、高いカルシウムの持続的溶出による象牙質再生能があり、高アルカリによる細菌の死滅が可能であることなどから、高い臨床的予後が得られている。 一方で、すでに市販されているレジン添加型MTAセメントは、カルシウムの溶出が少なく、再生象牙質の形成が不十分であるという報告がある。そのため、本研究で開発するレジン添加覆髄材が、高いカルシウムリリースを十分に維持することを目的としているため、高いカルシウム溶出を可能にし、かつ耐久性を示すモノマーとカルシウム材と混合する組成の検討が必要である。そこで、令和5年度は、令和4年度に引き続きモノマーの種類、配合の異なるレジン添加型MTAセメントの物性評価として、モノマーの種類、配合によるレジン成分の強度、耐久性への影響、カルシウム溶出のためのカルシウム材の選択を検討してきた。添加するモノマーやカルシウム材の種類によって、それぞれカルシウムイオン溶出量が異なることを確認した。その結果から、レジン添加型MTAセメントの試作として複数試作し、そのレジン添加型MTAセメントの物性評価、歯質接着性評価、抗菌性、細胞毒性を測定し、物性、歯質接着力が高く、細胞毒性は低く、十分な抗菌性を担保する試作レジンセメントの組成が決定できた。令和6年度は、歯髄反応などを検討していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画していた事項すべて実施し、来年度実施予定の研究が進められる体制になっているため。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画通り、本年度は、昨年度までの知見に基づきレジン添加MTAセメントの試作をおこなってきた。市販の製品に比べ、物性評価、歯質接着性評価、抗菌性、細胞毒性を測定し、物性、歯質接着力が高く、細胞毒性は低く、十分な抗菌性を担保する試作レジンセメントの組成が決定できた。令和6年度は、当初の計画通り歯髄の反応性などを検討していく。 これらの結果から、最終的な最適組成を決定する。得られた結果は、学会発表、論文発表を行う。
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