研究課題/領域番号 |
22K09996
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
永田 有希 東京医科歯科大学, 統合研究機構, 助教 (50405841)
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研究分担者 |
須藤 毅顕 東京医科歯科大学, 統合教育機構, 特任助教 (10821168)
田中 敏博 東京医科歯科大学, 統合研究機構, 教授 (50292850)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 侵襲性歯周炎 / 免疫応答 / NOD2 / 口腔内細菌 |
研究開始時の研究の概要 |
侵襲性歯周炎は、若年期から発症・劇症化し、一般的な予防法、治療法が奏功しにくい疾患である。一部の患者は家族内発症することから原因遺伝子の探索が行われ、2017年に本研究の共同研究者らによって原因遺伝子のひとつがNOD2であることが示された。 NOD2は自然免疫応答因子であり、自己炎症性疾患の原因遺伝子としても知られている。また、免疫応答の亢進や破骨細胞の骨吸収活性の上昇などにも関与していることから、本研究では侵襲性歯周炎患者特異的に発見された5種類のNOD2変異型について詳細な機能解析を行い、これまで知られていなかった侵襲性歯周炎の発症メカニズムを解明し、新しい予防法と治療法の確立に貢献する。
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研究実績の概要 |
侵襲性歯周炎の原因遺伝子NOD2の5種類の変異型を293T細胞に導入し、細菌の構成因子であるlipopolysaccharide (LPS)、muramyl dipeptide (MDP)、慢性歯周炎の原因菌として知られるP. gingivalis (P.g.) および侵襲性歯周炎患者で高頻度に観察されるA. actinomycetemcomitans (A.a.) の細胞破砕液に対する免疫応答を確認した。その結果、MDPとP.g.菌、A.a.菌破砕液に対して何種類かのNOD2変異型で免疫応答の亢進が観察された。 このような免疫亢進が、活性化したNOD2によるself-inductionの結果によるものであるかを確認するため、MDP添加後のNOD2発現量をwestern blotおよびRT-qPCRにて解析したところ、各変異型の定常時およびMDP添加後の時系列において、有意な発現量の差は確認されなかった。 また、MDP添加後のNOD2の細胞内局在を免疫染色にて確認したところ、各変異型の定常時およびMDP添加後の時系列において、有意な違いは観察されなかった。 各NOD2変異型と結合している因子を免疫沈降によって回収し、SPS-PAGEにて確認したところ、野生型と比較して、各変異型で異なるサイズのバンドは確認されなかった。以上のことから、NOD2変異型によって、NOD2の細胞内局在、発現量および相互作用する因子の種類には大きな変化は起きていないことと、免疫刺激に対する応答性には違いがみられることが確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
NOD2変異型がマクロファージおよび破骨細胞への分化と活性にどのように影響するかを明らかにするため、マウスマクロファージ様細胞Raw264.7へのNOD2変異型導入を試みている。レンチウイルスを用いて、EFプロモーターの下流につないだ変異型NOD2遺伝子を導入したものの、ゲノムへNOD2が挿入された薬剤耐性細胞が取得できたにも関わらず、mRNAおよびタンパク質レベルでのNOD2発現が確認できなかった。 免疫系細胞に免疫系の調整因子NOD2を過剰発現させている状態が、細胞にとって都合が悪いのではないかと考え、tet-on systemを用いた遺伝子組み換えを実施してみたものの、やはりNOD2の発現を達成できなかった。現在実験系の最適化を試みている。
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今後の研究の推進方策 |
NOD2変異型遺伝子の安定発現株を免疫系細胞で取得するのに難航している。EFプロモーターによる過剰発現系が不適切であるようなので、low copy number promoterへの切り替えを試みている。具体的にはSV40 promoterおよびUBC promoter の下流にNOD2変異型遺伝子を組み込み、レンチウイルスを用いてRaw264.7への遺伝子導入を行う。ただしこの場合、内在性の野生型NOD2発現によって変異型NOD2の表現型が見えなくなる可能性が考えられるため、そのような場合にはゲノム編集での対応を考える。 また、NOD2変異型と結合しているタンパク因子について、免疫沈降からのSDS-PAGEの結果では、野生型と比較して明確に異なるバンドは確認されなかった。しかし分子量では識別が難しい因子との結合や、結合量、親和性の変化が起きている可能性を考慮して、免疫沈降後の網羅的プロテオーム解析等を実施していきたいと考えている。
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