研究課題/領域番号 |
22K09998
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
前薗 葉月 大阪大学, 大学院歯学研究科, 助教 (00613390)
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研究分担者 |
野杁 由一郎 新潟大学, 医歯学系, 教授 (50218286)
内藤 克昭 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (70909506)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | バイオフィルム / 根尖性歯周炎 / 要時生成型亜塩素酸水溶液 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,難治性根尖性歯周炎に至る患者と治癒する患者の差異を細菌学的および分子生物学的手法を用いて明らかにし,難治性根尖性歯周炎の病態を反映した実験モデルを新規に構築する。さらに,そのモデルを用いて,難治性根尖性歯周炎に関連するバイオフィルム抑制効果を持つ材料についての検討を行う。これにより,難治性根尖性歯周炎の新規制御法の開発を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究では、難治性根尖性歯周炎を惹起するバイオフィルムのコントロール法の開発を念頭に、根尖性歯周炎で難治化する細菌学的および分子生物学的要因を明らかにし、新規触媒技術を用いて根尖性歯周炎に関連するバイオフィルムの安全かつ効率的な除去効果を明らかにすることを目的とする。この目的のもと、臨床サンプルの解析により難治化の要因を解明し、実験的に検証可能な難治性根尖性歯周炎モデルを用いて、細菌・ウイルスに対峙した時のみラジカルを発生する、安全性が高く新しい材料である要時生成型亜塩素酸水溶液(MA-T)の効果について評価することを計画した。 難治性根尖性歯周炎に関連する、Enterococcus faecalis、 Fusobacterium nucreatum、Porphyromonas gingivalis、 Parvimonas micra等の細菌において、MA-Tは最小発育阻止濃度と最小殺菌濃度が近似した値を示し、どの細菌においても浮遊細菌に対しては強い抗菌性を示すことが明らかとなった。 また、MA-Tと上述した各種細菌を同時に培養しバイオフィルムに対する形成抑制効果について検討したところ、MA-Tの浮遊細菌に対する強い抗菌効果が発揮されるため、バイオフィルムが形成されず、MA-Tのバイオフィルムに対する強い形成抑制効果を示すことが明らかとなった。 各種細菌およびヒトプラークを用いて作製したバイオフィルムにMA-Tを作用させたところ、バイオフィルム中の細菌を抑制したが、形成されたバイオフィルムの総量は減少しないことが明らかとなった。 E. faecalis およびウシ歯を用いて作製した感染根管モデルに対し、根管洗浄をおこなった結果、MA-T で1 分間根管洗浄をおこなうことで、ペーパーポイントによる釣菌にて検出される細菌数は陰性対照群と比べ有意に減少した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた実験計画を順次遂行しており、現時点ではおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの各種検討に加え、ヒトプラークを細菌源として用いた多菌種バイオフィルムおよびウシ歯を用いて作製した感染根管バイオフィルムモデルに対する抗菌性についてもさらに検討し、本研究課題の総括に入る。
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