研究課題/領域番号 |
22K10003
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
西谷 登美子 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (90815888)
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研究分担者 |
星加 知宏 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 講師 (20609953)
佐藤 匡 東北大学, 歯学研究科, 講師 (40637964)
矢島 健大 東北大学, 歯学研究科, 大学院非常勤講師 (40779550)
西谷 佳浩 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 教授 (60325123)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 歯髄炎 |
研究開始時の研究の概要 |
歯髄炎で抜髄を行っても痛みが消失しないことがあり、その原因は歯髄神経の損傷によるものと考えられる。三叉神経節には様々なイオンチャネルが存在しており、侵害情報を伝達するとともに、炎症や慢性疼痛との関わりも示唆されている。しかしながら、歯髄炎による歯痛における上記物質の動態や三叉神経節との関係性は詳細には知られていない。本研究では、①歯髄炎モデルラットと逆行性トレーサーを組み合わせることで、炎症や神経損傷における歯痛と三叉神経節の関係や、TRPチャネル及びNa+チャネルの動態を免疫組織学的手法により解析する。また、②これらのアンタゴニストを応用することで、それらの鎮痛作用についても検討する。
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研究実績の概要 |
本研究では、歯髄炎モデルラットにおけるTRPチャネル、Na+チャネルを含むセンサーや神経損傷に関わる物質の動態を免疫組織学的手法により解析する。今年度はパーキンソン病の原因タンパク質で、神経損傷にも関与するαシヌクリンの炎症歯髄における分布を調べた。マウス上顎第一臼歯の咬合面をラウンドバーで切削し、わずかに露髄させた後、覆髄・仮封・充填などの操作を行うことなく、そのまま放置した。1,3,5,7,14日後、Zamboni固定液でマウスを固定し、上顎骨をEDTAで脱灰、クリオスタットにて8μmに薄切し、αシヌクリンやTRPV2チャンネル、さらには痛みの伝達物質であり、炎症を助長するCGRPの免疫染色を行った。露髄1日後には、露髄直下の冠部歯髄に炎症性細胞浸潤が認められた。3日後の冠部歯髄では、炎症性細胞がさらに冠部歯髄内で増加し、一部の動物では膿瘍も形成されていた。5-7日後には全ての動物の露髄直下に膿瘍形成が認められ、炎症性細胞浸潤は冠部歯髄全体に広がっていた。14日後では、髄室は膿瘍で満たされ、根部歯髄に炎症性細胞が浸潤していた。しかし根部歯髄における膿瘍形成は限局的であった。免疫染色の結果、CGRP線維は露髄5-7日後に増加した。これらの線維は膿瘍の直下で念珠状の神経線維網を形成していた。14日後では根部歯髄にも同様の神経線維網が観察された。またαシヌクリン線維も露髄5日後に増加していた。冠部歯髄における膿瘍直下に、多くのαシヌクリン線維が太い神経線維束として観察された。これらの線維の陽性反応も明らかに増加していた。αシヌクリン神経線維束は露髄14日後でも根部歯髄に認められた。一方、TRPV2チャンネル陽性神経線維は膿瘍周囲にも大きな変化はみられなかった。以上の結果からαシヌクリンがCGRPと同様に痛みの伝達や炎症に関与する可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度はパーキンソン病の原因タンパク質で、神経損傷にも関与するαシヌクリンの炎症歯髄における分布を調べた。αシヌクリン、TRPV2、CGRPの分布を免疫組織学的手法で染色を行い解析を行っている。おおむね予定通りに進展している。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は炎症歯髄におけるTRPV1やNa+チャネルの分布を明らかにする予定である。
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