研究課題/領域番号 |
22K10005
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
渋井 徹 北海道医療大学, 歯学部, 助教 (80453265)
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研究分担者 |
入江 一元 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (70223352)
細矢 明宏 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (70350824)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | CD146 / alpha-SMA / dentin formation / 象牙質形成 |
研究開始時の研究の概要 |
う蝕は若年者から高齢者まで広く罹患し、重症化により慢性的な疼痛や歯の喪失など口腔機能の低下に関わる歯科疾患である。現在の修復治療だけでは適用に限界があることから間葉系幹細胞による歯の修復・再生への細胞治療の開発が求められている。本研究は未分化間葉系マーカーとして知られるが不明な点が多いCluster of differentiation(CD)146に注目し歯の発生ならびに窩洞形成後の象牙質修復過程における歯髄幹細胞の動態や象牙芽細胞への分化機序について組織学的ならびに遺伝子発現量の検索から特定因子の解明を行う。さらに細胞を応用した象牙質-歯髄の早期治癒を促す治療法の開発を検討する。
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研究実績の概要 |
象牙質形成ならびに修復象牙質形成過程における歯髄幹細胞と関連する分子機構について同定し、傷害された象牙質の早期治癒を促す治療法を開発する目的で研究を行っている。これまでにラット臼歯歯冠部発生過程における免疫組織化学的研究から、CD146陽性細胞が象牙質形成の初期過程で象牙芽細胞近傍の血管周囲で強く発現していた。また窩洞形成4日後の修復過程でも、修復象牙質下層でCD146陽性細胞とともにSmad4や増殖分化マーカーであるOsterix陽性細胞が観察されたことから、象牙質の発生ならびに修復象牙質の初期段階にCD146陽性細胞が重要な役割を持つことが示唆された。また、歯胚や歯髄に分布するCS146細胞陽性血管の大部分が動脈性の血管であることが免疫組織学的に確認された。象牙質の形成と修復過程におけるメカニズム解明のため、ウエスタンブロット法によるタンパク質検出やレーザーマイクロダイセクション法とリアルタイム(RT)-PCR法を併用した局所遺伝子発現の検索から、分化に最適な特定因子の検索を行っている。さらに歯の欠損部への歯髄幹細胞の応用として他家ラット切歯から歯髄を採取し、Fluorescence activated cell sorting(FACS)法による歯髄幹細胞の分離培養を行っており、細胞はヒドロキシプロピルセルロースと混和し滅菌シリンジにて露髄部位に注入した後、欠損部をコンポジットレジンもしくはドックベストセメントにて充填し封鎖する。組織修復過程はマイクロCTにより象牙質形成量と組成を分析していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
象牙質の形成と修復過程におけるメカニズム解明のため、ウエスタンブロット法によるタンパク質検出やレーザーマイクロダイセクション法とリアルタイム(RT)-PCR法を併用した局所遺伝子発現の検索を行っている。発生過程の検討は順調に進んでいるが、修復過程に用いる窩洞形成モデルの不均一性が生じた為、モデル作成に時間を要した。これに伴い前年度予定していたFACS法を用いた歯髄幹細胞の培養移植実験も遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
窩洞形成後の象牙質‐歯髄複合体は障害の程度により、組織が修復するのか再生するのか大きく変わる可能性があることから追加で窩洞形成モデルを製作した。まずは象牙芽細胞分化に関わる遺伝子とタンパク質を同定する。また並行して細胞培養と移植実験を遂行していく。
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