研究課題/領域番号 |
22K10007
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
鈴木 直人 日本大学, 歯学部, 教授 (10226532)
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研究分担者 |
田邉 奈津子 日本大学, 歯学部, 准教授 (10409097)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 終末糖化産物 / 歯周病 / 歯肉バリア機能 / Claudin / 歯肉上皮バリア機能 |
研究開始時の研究の概要 |
我が国の糖尿病患者における歯周病重症度が有意に高いことが示されており,1970~2003年までの報告を調査したメタ解析においても同様な見解が得られている。そこで申請者らは,糖尿病の要因である最終糖化産物(Advanced Glycation Endproducts:AGEs)が歯肉上皮のバリアを破壊することで歯周病原菌が歯周組織に侵襲を加えることが,糖尿病患者における歯周病の重症化の要因の1つではないかと考え,本研究を企図した。
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研究実績の概要 |
ヒト歯肉上皮癌由来細胞株Ca9-22細胞を用いて,CLDN1, 3, 4, 5, 7,の発現に及ぼすAGEsの影響を調べた。その結果,AGEsは培養3日目において,Ca9-22細胞のCLDN4および7の遺伝子発現とタンパク発現を低下させた。しかしながら,AGEsは,その他のCLDNs遺伝子発現には影響を及ぼさなかった。さらに,AGEsがCLDN4および7発現低下に及ぼす影響の詳細を調べるために,AGEsの受容体RAGEのantagonist FPS-ZM1を用いて,AGEs刺激Ca9-22細胞のCLDN4および7の遺伝子発現を調べた結果,FPS-ZM1は,AGEs刺激で低下したCLDN4および7の遺伝子発現をコントロールレベルまで回復させた。また,CLDNsの下流に存在するタイトジャンクションネットワークを形成するZO-2およびZO-3の遺伝子発現に及ぼすAGEsの影響を調べた。その結果,FPS-ZM1は,AGEs刺激で低下したZO-3遺伝子発現をコントロールレベルまで回復させた一方,ZO-2の遺伝子発現には影響を及ぼさなかった。これらの結果は,AGEsはRAGEを介してCLDN4,7およびZO-3の遺伝子発現を低下させることが示唆された。次に,CLDNsは細胞膜上に存在するタンパクであることから,AGEs刺激がCLDN7の細胞での局在に及ぼす影響を免疫蛍光染色によって調べた。培養3日目にAGEsは,無刺激群と比較して,CLDN7の細胞膜上の局在を減少させた一方,FPS-ZM1は,AGEsによるCLDN7の細胞膜上の局在の減少を回復した。最後に,細胞のバリア機能に及ぼすAGEsの影響を経上皮電気抵抗(TEER)測定装置で調べた。その結果,AGEsはRAGEを介して,TEER値を有意に減少させた一方FPS-ZM1はAGEsの影響を抑制した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請書に記載した令和5年の研究計画の以下の5項目について実験を実施した。 ①歯肉上皮細胞には歯肉上皮癌由来株細胞(Ca9-22)を用いる。②AGEs の作製:AGEs の作製は先行研究に準じて行う。すなわち,10 g ウシ血清アルブミンと 1.8g DL-グリセルアルデヒドに0.4g ジエチレントリアミンペンタメトリック酸を200mL の生理食塩水と混合し,37℃で7 日間浸透させて作製する。③AGEs刺激:Ca9-22 がコンフルエントになった時点で,0,50,100 および200 mg/mL 濃度のAGEsで24,48 時間刺激する。④real-timePCR:細胞間接着に関与するClaudin,Occludin およびJAM-A の遺伝子発現に及ぼすAGEs の影響を調べる⑤TEER とFITC-dextran を用いた透過実験を行い,歯肉上皮バリア破壊への影響を直接調べる。令和5年度は⑤までの実験が終了している状況である。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度までに,AGEsはCa9-22細胞のCLDN7、ZO-3及びJAM-Aの発現とTEER値を低下させることが示された。今後は,これらの発現を制御する細胞伝達機構を調べるためにMAPKのリン酸化の発現をWestern Blotting法で調べる予定である。さらに、上記に記載した①-⑤の実験結果をまとめ論文を作成し欧文学術雑誌に投稿予定である。
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