研究課題/領域番号 |
22K10011
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 公益財団法人ライオン歯科衛生研究所(研究部研究開発室) |
研究代表者 |
石原 裕一 公益財団法人ライオン歯科衛生研究所(研究部研究開発室), 研究部研究開発室, 室長 (50261011)
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研究分担者 |
佐治 直樹 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 病院 もの忘れセンター, 客員研究員 (30624910)
松下 健二 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 研究所 口腔疾患研究部, 部長 (90253898)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 認知症 / MCI / MMSE / 歯周病 / 現在歯数 / プラークコントロールレコード / 臨床的認知症尺度 / 軽度認知機能低下 / 咬合力 / 舌口唇 運動機能 / 反復唾液嚥下 / 舌圧 / 口腔機能低下 |
研究開始時の研究の概要 |
今回の研究は、もの忘れセンター外来を受診した患者の口腔清掃習慣、歯周病病態および口腔機能について評価するとともに、口腔細菌サンプルを同じ対象者から採取し、菌叢解析を行う。ついで、これらのデータと対象者の認知症診断と電子カルテの臨床情報との関連性を統計学的に解析することで、歯周病や口腔機能と認知機能との関連を詳細に解明し、得られた結果を公表することにより、国民に情報発信する
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研究実績の概要 |
歯周病は認知症のリスクであるが、もの忘れ外来患者を対象にした歯科調査はあまり報告がない。もの忘れ外来を受診し、研究参加に同意された患者を対象として、神経心理検査や脳MRI、日常生活の様子などを評価した。歯科受診歴や歯磨きの状況、残存歯数、歯周病の程度などを評価した。認知症の有無や歯周病の程度で患者背景を比較し、多変量ロジスティック解析を用いて認知機能と歯周病との関連を検討した。183例を解析対象とした(女性50%、平均年齢79歳)。認知症群では、認知症群以外と比べて歯周病が重度であり、定期的な歯科通院(68% vs. 84%, p =0.01)や現在歯数(21本 vs. 23本, p =0.04)が少なかった。多変量解析では、視空間/実行系と注意の障害(オッズ比:2.11、4)、単語再生・再認や口頭命令への従命の障害(オッズ比:2.80、)は中等度以上の歯周病と独立して関連し、いずれもMMSE(認知症スクリーニング検査)スコアより歯周病と強く関連していた。上記の内容についてJ Alzheimers Dis .に公表した。 有歯顎患者171人を対象とし、認知機能と歯磨き時間と回数、口腔清掃度、深い歯周ポケット部位率などと、健常、軽度認知機能障害(MCI)、および認知症との関連を、調べたところ、MCI群に比べ認知症群では有意に口腔清掃度と深い歯周ポケット部位率が高く、認知症群は健常群やMCI群に比べて歯磨き時間が短く、デンタルフロスや歯間ブラシなどの歯間部清掃器具の使用率が有意に低かった。深い歯周ポケット部位率とMMSEは弱い負の相関が認められた。上記の内容を口腔衛生学会でポスター発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度認知機能と歯周病病態については学会発表1回、1報論文発表した。 認知機能と口腔清掃との関連は学会発表1回行い、認知機能と口腔機能(咀嚼や嚥下などについて)は投稿準備中である。 認知機能と口腔細菌叢の関連は被験者それぞれの細菌叢解析は終了した。 以上より最終年度以内に、予定した成果を公表できると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
認知機能と歯周病、口腔機能および口腔細菌叢の関連解析を中心に課題を推進してきたが、今回の収集情報を利用し、かかりつけ歯科医の有無と口腔管理の認知機能と歯周病、および口腔機能に与える影響について解析検討し、国民皆歯科健診導入の一助となる根拠を創出したいと考えている。
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