研究課題/領域番号 |
22K10012
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57040:口腔再生医学および歯科医用工学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
西田 絵利香 北海道大学, 歯学研究院, 助教 (50779882)
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研究分担者 |
宮治 裕史 北海道大学, 歯学研究院, 教授 (50372256)
大矢根 綾子 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 研究グループ長 (50356672)
中村 真紀 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 主任研究員 (00568925)
赤坂 司 北海道大学, 歯学研究院, 准教授 (00360917)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 骨新生 / ナノ粒子 / FGF / バイオミメティックコーティング / 複合層 / アパタイト / フッ素 / スキャフォールド / リン酸カルシウム / 2層構造アパタイト / 薬剤放出 / 抗菌性 / 歯周組織再生 / バイオマテリアル |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,2段階で薬剤を放出する新世代スキャフォールドを創出し,歯周組織再生療法への導入を目指す.初期に線維芽細胞増殖因子-2(FGF-2)の放出,続いて骨形成タンパク質-2(BMP-2)の放出によって,骨・歯根膜組織の高効率再生を実現する.さらに上記の薬剤に加え抗菌性生体微量元素のアパタイトへの共内包を行い,優れた再生能と抗感染性を併せ示す最先端の第4世代スキャフォールドとして創出する.in vitroで内包薬剤の放出挙動評価を行い,最適な条件を設定する.その後ラット及びビーグル犬の骨欠損モデルを用いて,再生骨量を評価し,より重度歯周病克服のためのスキャフォールドの設計構築指針を示す.
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研究実績の概要 |
本研究では,段階的に薬剤を放出する新世代(第4世代)スキャフォールドを創出し,歯周組織再生療法への導入を目的としている.つまり,溶解性の異なる2層構造アパタイトをコラーゲンスポンジと複合化して,優れた再生能を示す最先端の第4世代スキャフォールドの創出を目指している. 昨年度までに,1層目として,アパタイトの難溶化(溶解性低下)と抗菌性の期待される生体微量元素(フッ素)を種々の濃度(0~1000μM)でCaP過飽和溶液に添加し,スキャフォールド上にフッ素含有アパタイト層を作製した.フッ化物イオンをバイオミメティックコーティング法によりアパタイト層に取り込むことに成功し,フッ化物濃度の増加とともにアパタイト層の溶解度が低下し,減少した.しかし,フッ素濃度が高くなると生体為害性が出現したため,フッ素の添加は不適合という判断になった. そこで新しく,炭酸アパタイト(CaP)を析出させたスキャフォールドにさらにナノCaP粒子をつけることで,ナノ粒子が超早期に,CaPが早期に溶出し,2段階となるようにできないか検討を行った. まずはCaPナノ粒子にFGFを添加し,FGFの至適濃度を評価した.FGF濃度0,5,50μg/mLで水懸濁液を作製した.ラット頭蓋骨にφ5mmの欠損を作製し,CaP顆粒に作製した懸濁液を混合して,欠損部に補填し,縫合した.4週後に屠殺してCT撮影と組織学的評価を行った.FGF0μg/mLでは骨新生はほとんど認められず,FGF5μg/mLおよび50μg/mLで骨新生を認めた.特にFGF5μg/mLで最も骨新生を認めた.FGFの至適濃度が概ねわかってきたので,今後はナノ粒子へのFGF複合化を内包型ではなく,担持型にすべく条件を検討中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
サンプルの条件の変更はあったため,サンプルの最終形状での評価はまだできていない.しかしラットへの埋入評価に進んでいるため,濃度が決まれば,最終形での評価が可能と考える.
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今後の研究の推進方策 |
ラット頭蓋骨への欠損部への埋入において,期間を置くと材料が孔から移動しているサンプルも認めたため,膜を置いてサンプルが動かないように実験系をもう少し模索する必要がある.実験系を確定させると平行して,ナノ粒子へのFGF担持を内包型ではなく,ナノ粒子にヘパリンをまとわせて,周りに担持させるように諸条件を検討していく予定である.そののちラットでの最終形を用いて骨新生評価を行い,いい結果が得られればイヌでの評価を検討する.
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