• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

細菌汚染インプラント表面の生体親和性回復:ヒドロキシルラジカル促進酸化処理の応用

研究課題

研究課題/領域番号 22K10013
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分57040:口腔再生医学および歯科医用工学関連
研究機関東北大学

研究代表者

菅野 太郎  東北大学, 歯学研究科, 教授 (30302160)

研究分担者 中村 圭祐  東北大学, 歯学研究科, 准教授 (30431589)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
キーワード促進酸化処理 / 骨芽細胞 / 細胞増殖 / チタン / 汚染 / インプラント / 歯科用インプラント / ヒドロキシルラジカル / 酸化促進処理
研究開始時の研究の概要

本研究では、活性酸素の一種であるヒドロキシルラジカルを応用し、細菌や化学物質で汚染された歯科用インプラント表面の生体親和性を回復する革新的技術の基盤構築を目的とする。細菌感染によって引き起こされるインプラント周囲炎の治療では、抗菌療法を伴う適切な治療を行っても、骨とインプラントが再び結合することは非常に困難となる。これは、細菌由来の汚染物質、あるいは抗菌療法に用いる殺菌消毒剤や抗生物質がインプラント表面に残留するためであると考えられる。そこで本研究では、ヒドロキシルラジカルの有機物分解作用を応用し、汚染されたチタン表面の生体親和性を回復するための清浄化技術の有効性を実証する。

研究実績の概要

昨年度から引き続いてチタン表面の細胞親和性を阻害する因子の検討を行った。市販のチタンディスクを、歯科用インプラント表面に類似するようにサンドブラスト処理を行い、さらに49%硫酸でエッチングを行った。粗面を付与したチタンディスクを洗浄し、オートクレーブ処理後に細胞試験に用いた。昨年度は、骨芽細胞様細胞としてマウス由来のMC3T3-E1を用いたが、今年度はST2(マウス骨髄由来のストローマ細胞)およびラットの大腿骨から採取したPrimary細胞を用い、細胞種による違いを評価した。
チタン表面の汚染には、殺菌消毒剤(0.2%クロルヘキシジン、40%クエン酸、3%過酸化水素)、20 mg/mLの抗生剤(アモキシシリン、メトロニダゾール、ミノサイクリン塩酸塩)、1 mg/mLの細菌由来成分(リポ多糖、ペプチドグリカン、リポタイコ酸)を用いた。各種汚染処理後、チタンディスクを超純水に浸漬して洗浄し、新しい48ウェル・セルカルチャープレートに移した。各種細胞を10000 cells/mLに調製し、チタンディスクを入れたウェルに0.5 mLずつ播種した。CO2インキュベーター内で3日間培養し、細胞の付着・増殖を促した。3日間の培養後、MTT試験を行ってチタンディスク上の生細胞数の評価を行った。その結果、ST2では、クロルヘキシジン、クエン酸、ミノサイクリン塩酸塩、リポ多糖を用いた処理によって細胞増殖が抑制されることが分かった。同様に、Primary細胞では、クロルヘキシジン、ミノサイクリン塩酸塩、リポ多糖、ペプチドグリカンを用いた処理で細胞増殖の阻害が認められた。MC3T3-E1も含めた3種の細胞で、各種汚染法による細胞増殖抑制の違いが認められたが、クロルヘキシジン、ミノサイクリン塩酸塩による処理はいずれの細胞に対しても増殖を抑制することが分かった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

歯科医療・歯科疾患に関連する各種物質(殺菌消毒薬、抗生剤、細菌構成要素)を用いて、インプラント表面に類似させたチタンディスク表面を処理した場合の骨芽細胞に対する細胞親和性の変化を調べてきた。昨年度の研究で上記の物質のいくつかがチタン表面の細胞親和性を損なわせることが分かってきたため、確認実験として別のタイプの細胞(ST2とPrimary 細胞)を用いた実験を今年度行った。その結果、細胞種によって影響の受け方が異なることが分かった。そのため再現性確認試験などを実施し、想定以上に時間を要した。しかしながら、今後の実験では、より臨床に近いPrimary細胞を中心にして実験を進めることを決定したので、次年度以降にこれまでの遅れを取り戻せると考えている。

今後の研究の推進方策

研究分担者と緊密な連携を取り、各自の役割分担を明確化することで次年度以降の研究をスムーズに実施する。具体的には、研究代表者が細胞試験と動物実験を担当し、研究分担者が動物実験の標本作製や組織学的分析を担当する。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi