研究課題/領域番号 |
22K10021
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57040:口腔再生医学および歯科医用工学関連
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
森川 暁 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (00424169)
|
研究分担者 |
相馬 智也 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (10624637)
宮下 英高 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (20445290)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | 新規骨補填材 / 骨誘導 / 抗菌機能 / 自家骨置換 / 幹細胞 / 骨誘導能 / 歯周炎 / インプラント周囲炎 / 人工骨 |
研究開始時の研究の概要 |
「口から食べること」による医学的効果は大きく、残存歯数が少ないほど、認知症の発症リスクが高くなるという負の関連を示す論文も公表され、健康寿命の延伸を果たすために、健全な口腔咀嚼機能の改善や構築は大きな課題であると考えられる。超高齢社会において「口から食べることを支援することによる健康寿命の延伸」に貢献するべく、安全な骨代謝機能と抗菌機能を兼ね備えた歯周組炎およびインプラント周囲炎骨再生材料を開発する。また、同様の抗菌システムを備えたインプラント周囲炎抵抗性デンタルインプラントシステムの開発を目指す。
|
研究実績の概要 |
超高齢社会では、生涯にわたる健全な歯や歯周組織の保存、あるいは失われた口腔組織に対する形態と機能の回復、咀嚼機能の改善が健康寿命延伸の鍵となる。歯周炎や口腔インプラント周囲炎の予防と治療、咬合および咀嚼機能回復治療は超高齢社会における「生涯現役社会」を実現する上で、重要な課題である。しかし、歯周炎やインプラント周囲炎に対する既存の予防、治療、組織再生療法は一定の効果を上げているものの、低い自家骨置換率やバイオフィルム感染、そして臨床的ハンドリングのわるさ等の改善点を多く抱える。本研究は、歯周炎と口腔インプラント周囲炎に対する抗菌機能と優れた骨誘導能を有した「新しい抗菌骨誘導材料」、「抗菌軟組織結合インプラント」の開発を行うことを目標とした。具体的な研究項目は、①「骨誘導能」をもつ抗菌骨再生材料開発、②抗菌軟組織結合型インプラント開発。そして開発デバイスの、③口腔・下顎骨骨欠損モデルによる自家骨置換率と抗菌機能の定量評価、④インプラント周囲炎モデルによる自家骨置換率と抗菌機能の定量的評価、の4つとした。2022年度は歯周炎や口腔インプラント周囲炎による炎症性骨吸収部位において、骨芽細胞の非存在下においても骨が形成される能力、すなわち「骨誘導能」を備えた人工骨に抗菌機能を付与し、その治療効果とメカニズムを評価することを目標とするために、定量的骨欠損モデルの作製に注力した。既存の骨補填材料と、本研究課題で開発する「骨誘導型抗菌骨補填材」を、画像解析と組織学的解析で比較するために必須のモデル作製となる。大腿骨や他の長管骨と比較して、定量的顎骨欠損モデルは非常に難しかったが、定量的モデルの作製に成功した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
共同研究機関である理工学部と連携を密に取り、材料開発と口腔顎顔面領域における有用性を評価するための定量的実験系の構築に注力した。マウスおよびラットの顎骨欠損モデルの作製を試みた。マイクロCTによる画像解析、組織学的解析、分子生物学的解析の種類、術式、サイズなどの様々な因子を考慮した結果、ラット定量的顎骨欠損モデルの作製に成功した。
|
今後の研究の推進方策 |
安定してラットの定量的顎骨欠損モデルが作製できるようになったので、①「骨誘導能」をもつ抗菌骨再生材料開発、②抗菌軟組織結合型インプラント開発。そして開発デバイスの、③口腔・下顎骨骨欠損モデルによる自家骨置換率と抗菌機能の定量評価、④インプラント周囲炎モデルによる自家骨置換率と抗菌機能の定量的評価を進めていく予定である。
|