研究課題/領域番号 |
22K10031
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57040:口腔再生医学および歯科医用工学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
小柳 達郎 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 非常勤講師 (70632173)
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研究分担者 |
駒津 匡二 東京医科歯科大学, 歯学部, 非常勤講師 (60910065)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | インプラント周囲炎 / 細菌叢解析 / 口腔内細菌 / インプラント周囲疾患 / ネットワーク解析 / 次世代シーケンサー / マルチオミクス解析 / 新規診断法 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、歯科インプラント治療は歯が失われた後の治療法の一つとして、頻繁に活用されるようになり口腔機能回復に重要な役割を果たしている。一方で、インプラント治療後のトラブルも増え続けており、なかでも重症化するとインプラントの脱落を引き起こすインプラント周囲炎の頻度は高い。インプラント周囲炎は歯周炎と類似した臨床症状を呈し、両疾患共に原因は口腔内細菌叢のバランス異常と考えられているが、インプラント周囲炎は歯周炎よりも治療することが難しい疾患であることが知られている。本研究ではゲノム解析を応用することによりインプラント周囲炎の原因、新たな診断指針および治療方針の開発を目指す。
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研究実績の概要 |
インプラント治療は欠損補綴の治療法として広く使用されている。しかし、インプラント治療後のトラブルも増加傾向にあり、特にインプラント周囲炎は頻繁に見られる問題である。インプラント周囲炎に対する確立された治療法が未だに存在しないため、本研究ではインプラント周囲炎の原因となる細菌叢と治療効果との関連性を明らかにすることを目指す。 本年度は、多くの被験者から健康なインプラント周囲部位とインプラント周囲炎部位の両方から歯肉縁下プラークを採取した。採取には滅菌ペーパーポイントを使用し、歯周ポケットの深さ、歯肉からの出血の有無、角化歯肉幅、インプラント処置からの経過年数、X線写真上での骨吸収度などの歯周組織検査を実施した。 採取されたプラークから細菌由来のDNAを抽出し、次世代シーケンサーを用いた16S rRNA遺伝子解析を実施した。これにより、健康なインプラント部位、インプラント粘膜炎部位、インプラント周囲炎部位における細菌叢の特徴を調査した。 細菌組成解析の結果、インプラント粘膜炎部位およびインプラント周囲炎部位は健康なインプラント部位と有意に異なることが確認された。特にPorphyromonas gingivalis、Treponema、Fusobacterium nucleatumは病的状態に関与していることが確認されたため、治療前後で変化し得る細菌種である可能性が示された。 今後、被験者から取得したメタデータを基に細菌叢との関連性を調べ、疾患の早期診断および治療に役立つ新たな指標の確立を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
被験者への治療も円滑に進み、多くの経過サンプルの回収が予定通り進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
今後、患者から取得されたメタデータと細菌叢の関連を調査し、新たな治療指標となるインデックスを特定する。
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