研究課題/領域番号 |
22K10043
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57040:口腔再生医学および歯科医用工学関連
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研究機関 | 日本歯科大学 |
研究代表者 |
岡 俊哉 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 准教授 (90213909)
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研究分担者 |
今井 あかね 日本歯科大学新潟短期大学, その他部局等, 教授 (60180080)
新井 恭子 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 准教授 (10434143)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | Bacillus subtilis / MTAセメント / 有用生物材料 / う蝕 / 納豆菌 |
研究開始時の研究の概要 |
齲蝕象牙質を完全に除去すると抜髄の適応症となる進行した齲蝕に対して、抜髄処置を回避することを目的とした間接覆髄治療を行う際、MTAセメントとB. subtilis芽胞粉末の混和物を充填すると齲蝕象牙質が清浄化されるとともにdentin bridge形成が加速され、抜髄を回避可能であるという発見がある(Personal communication)。細胞生物学的根拠を世界に提示して確かな実用化の礎を築くため、MTAセメントと納豆菌B. subtilis芽胞粉末の混和物は齲蝕治療に有効な特質を持つことを細胞を用いた遺伝子解析、併用が有効な天然成分の検索を中心に証明していく。
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研究実績の概要 |
当該研究の信頼性に関し、使用している高橋祐蔵研究所から市販されている納豆菌の学術的同定をおこなった。臨床的有用性の発見者(歯科医)が用いていた納豆菌画報粉末は市販の納豆の素であったため、菌の確認が必要と考えた。テクノスルガラボに委託解析しBacillus subtilis 高橋菌株である可能性の高い材料であることを確認した。菌株レベルまでの確定に至るには既に同定済みの高橋菌株が必要となり時間と費用がかかることからここまでの同定結果で十分とした。さらに、興味深い特性を示す乳酸菌を入手した。乳酸菌により口腔内の微生物環境を改善することもできることから、B. subtilisとの画期的な相乗効果を期待してこれらもテクノスルガラボに委託解析して同定した。その結果、16sリボソームRNA配列からは数個の置換塩基はみられるものの、既知の乳酸菌の可能性が高く新種では無いと見られたことから新規乳酸菌との相互作用についてはここまでとした。現在は培養細胞を用い、B. subtilis培養上清を用いた実験の予備実験を実施しており、扱いの容易な舌癌由来細胞、口唇由来線維芽細胞のmRNAを抽出し解析の準備を進めている。当該年度の研究計画では①MTAセメントと納豆菌 B. subtilisの混和物が歯内に充填された環境を再現してB. subtilis が増殖可能であることを証明する予定であった。当初大変困難と思われ研究計画に盛り込んでいなかったが、症例を確保できる可能性が出てきた。症例を得ることができれば再現実験を実施する場合に比べて当該研究の質を大きく向上できることは明白であり、当初計画を変更してでも症例を確保したいと考え、現在綿密な準備を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ禍における様々な制限、および付随する職務により十分なエフォートが確保できなかった。また、コロナ禍に加えてウクライナ戦争の影響で物流が停滞したために試薬や器具の納期も大幅に遅れたことも一因である。
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今後の研究の推進方策 |
当初計画の通り、培養細胞を用いた実験によりBacillus subtilisの培養上清が細胞に及ぼす影響を調べていく。また、申請者は海藻由来天然有効成分フコイダンについても並行して研究を進めており、Bacillus subtilis培養上清との相乗効果についても合わせて調べていく予定である。
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