研究課題/領域番号 |
22K10053
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
|
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
真柄 仁 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (90452060)
|
研究分担者 |
井上 誠 新潟大学, 医歯学系, 教授 (00303131)
島田 明子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 准教授 (00452871)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 口腔運動 / 嚥下運動 / 口腔機能低下症 / 経頭蓋磁気刺激 / 神経可塑性変化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,口腔運動の巧緻性の向上には,体性感覚や視覚等の感覚情報入力の制御が重要であることに着目し,運動機能改善プロセスにおける,運動遂行の巧緻性に対する感覚入力制御の効果,および能動的触知覚(アクティブタッチ)概念の口腔への応用を検証する.更に,口腔感覚運動と嚥下運動の機能連関メカニズム解明へと新たに展開させ,摂食嚥下障害における口腔機能低下への対応を神経生理学的に実証することを目的とする.
|
研究実績の概要 |
本研究は,運動感覚障害から回復プロセスの促進機序の解明を目的として,体性感覚や視覚等の感覚情報入力の制御が重要であることに着目し,運動遂行の巧緻性と感覚入力制御の効果の検証を目的としている. 当該年度初めには,舌筋の記録を試みた吸引型の表面電極の有効性を検討した内容について,英文誌J Oral Rehabilに受理された.これを受け,同電極を利用して,まずは舌抵抗訓練を模した反復的舌圧発揮時の運動遂行のみをおこなった際の,嚥下関連筋の活動様式の定量的な評価,および大脳皮質運動野に与える影響について検討を行った.健常成人10名を対象に,最大舌圧の80%舌圧値で,10秒間の舌圧発揮と10秒間の休息を連続して10回繰り返すタスクを1セッションとし,セッション間には休息を10分間設け,計3セッションを実施することを運動課題とした.記録の対象は,舌筋,舌骨上筋の筋活動と,各筋における経頭蓋磁気刺激誘発性の運動誘発電位(MEPs)とした. 反復的舌圧発揮時の筋活動量,平均周波数について,1回目~3回目のセッション間で比較したところ,筋活動量の変化については舌筋および舌骨上筋いずれも認められなかった.一方で,平均周波数は舌筋において3回目で有意に低下,舌骨上筋の変化は認められなかった.また,MEPsについて,各セッション後に計測したものを比較したが,舌筋,舌骨上筋のMEPsに変化は認められなかった. 比較的強い持続的な舌圧発揮を連続的に行うことは,皮質延髄路の活動性の指標であるMEPsを大幅に向上させることを仮説として実施したが,その結果は得られなかった.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
吸引型の電極によって,舌筋の筋活動や運動誘発電位は安定して記録ができている一方で,運動課題の遂行と,感覚運動野の可塑性変化,皮質延髄路の興奮性の指標であるMEPsとの関連が示せていない.よって感覚入力の変化の影響やアクティブタッチの検証まで至っていないことが理由である.
|
今後の研究の推進方策 |
舌筋の運動誘発電位の記録は吸引型の電極を双極性に貼付して行っていたが,吸引型の電極を改良することで,より局所の筋活動の記録を正確に行うことが可能となった. また,舌圧発揮の運動強度が強すぎることで,中枢神経系または末梢の筋機構に生じた疲労が影響している可能性が考えられたため,強度を弱めた運動課題でMEPsに何らかの変化が生じるか否か,併せて運動遂行の巧緻性との関連性を検討する.得られた結果から,有効な運動課題を実施した際の,感覚入力の変化の影響について検証する.
|