研究課題/領域番号 |
22K10084
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
菅沼 岳史 昭和大学, 歯学部, 教授 (10196694)
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研究分担者 |
佐藤 多美代 昭和大学, 歯学部, 助教 (40814629)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 睡眠時ブラキシズム / 覚醒時ブラキシズム / 歯の接触頻度 / 咬合力 / 歯根膜判別閾 / 睡眠陣ブラキシズム / 歯根膜感覚 |
研究開始時の研究の概要 |
顎関節症のリスク因子と考えられている睡眠時ブラキシズム(Sleep Bruxism; SB)と覚醒時ブラキシズム(Awake Bruxism; AB)は,これらの発症機序として中枢の関与や精神的要因の背景が指摘されてはいるが不明な点も多い. SBは過度な咬合力が,またABは長時間に渡って弱いながらも咬合力が歯に加わっており,歯根膜からの感覚情報の変化がその発症に関与している可能性が考えられる.そこで本研究では,携帯型の咀嚼筋筋電図を用いて評価したSBとABの頻度,持続時間および強度と歯根膜感覚との関連性を検討する.
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研究実績の概要 |
【目的】顎関節症のリスク因子と考えられている睡眠時ブラキシズムと覚醒時ブラキシズムは, 睡眠時ブラキシズムによる過度な咬合力や覚醒時ブラキシズムによる長時間に渡る弱い咬合力が歯に加わっており,歯根膜からの感覚情報の変化がその発症に関与している可能性が考えられる.本研究では,携帯型の咀嚼筋筋電図を用いて評価したSBとABの歯の接触頻度および咬合力と歯根膜感覚との関連性を検討した. 【方法】被験者として本学学生と教職員15名(男性6名,女性9名,平均年齢26.7歳)を用いた.睡眠時ブラキシズムと覚醒時ブラキシズムの歯の接触頻度と強度の指標として,超小型ウエアラブル筋電計(GC社製)によって測定した筋電図から,1時間あたりのエピソード数とバースト数,波形ピーク値および波形持続時間を算出した.歯根膜感覚の指標とした判別閾は,2mm角に切断した10から50ミクロンのステンレス箔を5ミクロンごとに下顎第一大臼歯頬側咬頭の咬合接触部で咬合させ,精神物理学的手法の極限法で測定した. 【結果】睡眠時ブラキシズムの波形持続時間,覚醒時ブラキシズムの1時間あたりのエピソード数およびバースト数のそれぞれと歯根膜判別閾に有意な負の相関があった.一方,睡眠時ブラキシズムと覚醒時ブラキシズムの波形ピーク値との間には有意な相関はなかった. 【考察】以上のことから,歯根膜感覚の鋭敏化に覚醒時ブラキシズムでは歯の接触頻度が,睡眠時ブラキシズムでは歯の接触時間が関与しており,睡眠時ブラキシズムと覚醒時ブラキシズムによって加わる咬合力は歯根膜感覚に影響していない可能性が考えられた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初は歯根膜判別閾の測定に8μと12μの咬合紙を用いる予定であったが,マイクロメータにより厚さを測定したところ正確な数値が得られず,過去の研究で用いた測定用の金属フォイルの入手を試みた.しかしながら,過去に用いた金属フォイルは業者から入手したサンプル品であったため,その代替え品を入手するのに時間を要したことから当初の予定より研究開始が遅れることとなった.
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今後の研究の推進方策 |
現在まで得られたデータを基に統計学的に妥当な被験者数を検討する.それを踏まえて被験者数をさらに増やすとともに,顎関節症患者に対して健常者と同様な検討を行う. また,覚醒時ブラキシズムのある患者に対して認知行動療法によりそれを是正し,是正前後で歯根膜感覚の指標である判別閾が変化するかについても併せて検討する.
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