研究課題/領域番号 |
22K10090
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
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研究機関 | 福岡医療短期大学 |
研究代表者 |
後藤 加寿子 福岡医療短期大学, 歯科衛生学科, 教授 (60389418)
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研究分担者 |
都築 尊 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 教授 (70330967)
堤 貴司 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 講師 (70736652)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 咬合不調和 / 認知能 / 軽度認知障害(MCI) / アミロイドβ / 軽度認知障害 / IL-1β / 認知機能 / 軽度認知症 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は野生型マウスの結果をベースとして、アルハイマー症を発症するノックインマウスを使用し、特に軽度認知障害(MCI)時において咬合不調和がこの発症と増悪に関与するか、さらに咬合不調和により誘発される認知能低下が歯周組織由来の体液性因子由来か、三叉神経由来を介する神経変性によるか、その分子メカニズムを詳細に明らかにすることを目的とする。
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研究実績の概要 |
【目的】最近、歯周疾患や歯の喪失によるアルツハイマー型認知症(AD)の発症や増悪に関して新しい知見が報告された。咬合不調和は、歯周組織での液性因子の発現、ストレスホルモン分泌や交感神経活動亢進により全身的な異常がおこることが既に報告されている。我々は、咬合不調和の1つである過剰咬合負荷は認知能を一過性低下させ、同時に海馬でのアミロイドβやリン酸化タウを蓄積させる興味深い結果を得た。しかし、この機序が咬合性不調和による歯周組織変性と認知能低下との関連分子や機序に関して未だ不明である。本研究は、AD発症モデルマウスを用いて、軽度認知障害(MCI)時の咬合不調和とADの発症との相関を明確にすることを目的とした。 【方法】MCI時に相当する4ヶ月齢と既にAD発症したとされる6ヶ月齢のADマウス及びそのコントロールマウスを使用し、無処置(コントロール)群過剰咬合を負荷後1週間群、及び4週間群に分け、認知能を行動科学的実験にて認知能を評価した。 同時に, 海馬領域におけるAD発症関連分子群の発現をWestern blottingおよび免疫染色法を用いて調べた。 【結果】 1. 過剰咬合負荷はMCI時に相当する4ヶ月齢ADマウスの認知能を一過性に低下させたが、ADが発症したとされる6ヶ月齢ADマウスでは、既に認知能が低下しており、過剰咬合による変化は認められなかった。4ヶ月齢コントロールマウスでは過剰咬合負荷に依存した有意な認知能低下は認められなかった。 2. 海馬におけるAD誘発物質の変化を調べてみると、過剰咬合負荷によりアミロイドβ、とその前駆体(App)およびリン酸化Tauは優位に増加し、この増加は負荷4週後も持続した。しかしながら、6ヶ月齢ADマウスでは、既にこれらの発現が増大しており、過剰咬合負荷に依存した有意な変化は認められなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アルツハイマー型認知症(AD)モデルマウスを用いて、咬合不調和による発症関連分子の発現と局在性海馬領域におけるAD発症関連分子群の発現をWestern blottingおよび免疫染色法を用いて調べた。 さらに学会発表を行うこともできた。
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今後の研究の推進方策 |
咬合不調和による液性因子と海馬領域のグリア細胞の発症を確認する。アルツハイマー型認知症の発症関連物質やその関連酵素発現の変化について解析する予定である。
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