研究課題/領域番号 |
22K10096
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
戸原 玄 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 教授 (00396954)
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研究分担者 |
片桐 さやか 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 准教授(キャリアアップ) (60510352)
大杉 勇人 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 助教 (80846791)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 腸内細菌叢 / 口腔内細菌叢 / 胃ろう食 / 摂食嚥下訓練 |
研究開始時の研究の概要 |
腸内細菌叢のバランスが崩れると、免疫機構の異常、糖尿病などの発症および進展に影響することが報告されている。一方、胃ろうを含めた経管栄養患者に対する胃ろう食の有効性や、脱胃ろうを目指した摂食嚥下訓練での対応が注目されている。胃ろうから栄養剤ではなく、胃ろう食での栄養摂取、また、摂食嚥下訓練による経口栄養の再獲得は、ともに腸内細菌叢に影響を及ぼす可能性がある。本研究では、経管栄養となった被験者における胃ろう食の有効性を示すとともに、若年の胃ろう患者に摂食嚥下訓練を行い、腸内細菌叢の変化や全身への影響を検討する。また、胃ろうモデルラットを用いて胃ろう食の有効性を細菌学、代謝学の観点から明らかにする。
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研究実績の概要 |
ヒトの腸管には多様な腸内細菌が生息し、これらの細菌は複雑な微生物生態系を形成しており、これを腸内細菌叢とよぶ。腸内細菌叢のバランスが崩れると、個体の免疫機構の異常、糖尿病など様々な疾患の発症および進展に影響することが報告されている。一方、胃ろうを含めた経管栄養患者に対する胃ろう食(通常の食事をミキサーにかけた食事)の有効性や、脱胃ろうを目指した摂食嚥下訓練での対応が注目されている。胃ろうから栄養剤ではなく、胃ろう食での栄養摂取、また、摂食嚥下訓練による経口栄養の再獲得は、ともに腸内細菌叢に影響を及ぼす可能性がある。本研究では、経管栄養となった被験者における胃ろう食の有効性を示すとともに、腸内細菌叢の変化や全身への影響を検討する。また、胃ろう食や摂食嚥下障害に用いられる食品の有効性を細菌学、代謝学の観点から明らかにする。 高齢者や嚥下障害患者は誤嚥防止にとろみ調整食品を用いるが、その摂取が身体に与える影響については不明な点が多い。ラットに対し、5週間にわたりキサンタンガム系とろみ調整食品 (Th群)もしくは生理食塩水 (Co群)を経口投与した。経口糖負荷試験では、グルコース投与後60分および90分における血糖値がTh群で有意に低下した。消化管を採取したところ、回腸でのみGlp1発現がTh群で有意に増加していた。次世代シークエンサーを用いて回腸の遺伝子発現と腸内細菌叢を網羅的に解析したところ、Glp1rの発現の上昇や解糖系・コレステロール恒常性・脂肪酸代謝に関連する遺伝子群の発現が亢進することが示され、さらに、腸内細菌叢は変化していた。Erysipelotrichales目とChristensenellaceae科の存在比率は、回腸のGlp1およびGlp1rの発現と正の相関が認められた。キサンタンガム系とろみ調整食品の摂取が糖・脂質代謝を改善する可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
高齢者や摂食嚥下障害患者に用いられるキサンタンガム系とろみ調整食品の摂取が、糖・脂質代謝を改善する可能性があることを動物モデルで示した。
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今後の研究の推進方策 |
摂食嚥下障害を有する子どもに対する胃ろう食の有効性を明らかにする。
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