研究課題/領域番号 |
22K10109
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
小峰 太 日本大学, 歯学部, 教授 (90287657)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | ジルコニア / ラミネートベニア / 適合 / 陶材焼成 / 接着 / 表面改質 |
研究開始時の研究の概要 |
モノリシックジルコニア補綴装置の利点を生かし、ジルコニアを用いたラミネートベニアおよび接着ブリッジの本格的臨床応用に先駆け、ジルコニア表面に対する新たな改質方法がジルコニアとレジン系装着材料との接着状態、ジルコニア補綴装置の適合状態、破壊抵抗および長期耐久性などを解明する。具体的には、CAD/CAMで切削加工されたジルコニア表面に対して、長石系陶材(グレーズ材)を塗布し、その後ジルコニア焼結を行い、ジルコニア表面の改質を行うことを企図している。
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研究実績の概要 |
焼結前または焼結後のジルコニアに長石系陶材を塗布して焼成する2つの内面処理方法が,高透光性ジルコニアLVsの辺縁および内面適合性に及ぼす影響を評価した。 上顎中切歯に対するLVs修復を想定し,支台歯としてレジン製人工歯を用いた。ダイヤモンドポイントを用いて,唇側面の歯頸側1/3を0.3 mm,切縁側2/3を0.5 mmの削除量で支台歯形成を行った。歯科用CAD/CAMシステムを用いてジルコニアLVsを製作した。その内面処理条件として,以下の3つの方法を採用し(n = 11);ジルコニア焼結前に長石系陶材を塗布してジルコニアと同時に焼結させるpre-firing群,ジルコニア焼結後に長石系陶材を塗布して焼成するpost-firing群,および長石系陶材を塗布しないno treatment群に分けた。ジルコニアLVsと支台歯との辺縁適合および内面適合は,シリコーンレプリカ法を用いて評価した。辺縁間隙量の評価は,近心側,遠心側,切縁側,歯頸側でそれぞれ15点,内面間隙量の評価は,切縁側,中央部,歯頸側でそれぞれ3点について,レーザー走査顕微鏡を用いて拡大率200倍で行った。その後,LVsを割断し,走査電子顕微鏡を用いてジルコニアと長石系陶材の断面を観察した。 以下の結論を得た。1.高透光性ジルコニアLVsの辺縁適合において,ジルコニア焼結前に長石系陶材を塗布してジルコニアと同時に焼結させる内面処理は,ジルコニア焼結後に長石系陶材を焼成する内面処理と比較して良好であった。2.高透光性ジルコニアLVsにおいて,ジルコニア焼結前に長石系陶材を塗布してジルコニアと同時に焼結させる内面処理は,均一な内面適合を獲得することができた。3.ジルコニア焼結前に長石系陶材を塗布して焼結させる内面処理は,長石系陶材がジルコニア表面に浸透し,ジルコニアに取り込まれたシリカ層の形成が確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ジルコニア表面の改質したラミネートベニアの適合について,研究結果解析,論文作成および雑誌掲載がなされており,当初の研究計画に沿った進捗状況である.一方で,ジルコニア表面の改質したラミネートベニアの破壊抵抗の評価については,予期していない研究データが認められるため,評価方法の再検討を行い,実験を継続している.以上を鑑みて,おおむね順調に研究は進行していると考える.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,ジルコニア表面の改質したラミネートベニアの破壊抵抗の評価について,研究結果解析および破壊様式の評価を実施する予定である.また,新しい種類のジルコニアについて,接着強度試験および適合試験を合わせて,実施すること計画している.
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