研究課題/領域番号 |
22K10113
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
熊谷 賢一 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (10518129)
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研究分担者 |
濱田 良樹 鶴見大学, 歯学部, 教授 (70247336)
鈴木 隆二 独立行政法人国立病院機構(相模原病院臨床研究センター), 臨床免疫研究室, 室長 (70373470)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 口腔癌 / T細胞受容体 / 口腔がん / 免疫チェックポイント阻害剤 / ネオエピトープ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では口腔癌における個別化がん免疫療法の確立を目指すために, 次世代シーケンサーを利用した免疫統合オミックス解析によって得られる免疫プロファイル, ネオエピトープ, 抗原提示機能などの多面的な免疫学的指標を包括的かつ視覚化できるような新規バイオマーカーを確立することで, 口腔癌免疫療法の治療効果予測モデルの構築を目指す. 本診断法によるバイオマーカーの開発により, 癌免疫療法への適応患者の層別化と適切な時期に免疫チェックポイント阻害薬を投与することが可能となることで,より強力かつ有効な免疫チェックポイント阻害剤による口腔癌治療レジメの確立に寄与することが期待される.
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研究実績の概要 |
近年のPD-1/PD-L1などの免疫チェックポイント分子に対する抗体医薬品(阻害剤)が,これまで免疫原性が弱いと考えられていた固形がんにおいても有効性を示したことから,がん免疫治療に大きな期待が寄せられている. 口腔癌は, 腫瘍浸潤リンパ球の機能低下を伴ってT細胞免疫からの回避によって免疫監視機構が抑制されているため, 免疫チェックポイント阻害剤(ICI)による治療効果が期待されている悪性腫瘍のひとつである. しかしながら, ICIによる癌免疫療法は, 頭頸部癌では約13%程度の患者に臨床効果を示すことや, 免疫関連の副作用のリスクから, 適応患者の層別化の必要性が指摘されている.本研究では口腔癌における個別化がん免疫療法の確立を目指すために, 次世代シーケンサーを利用した免疫統合オミックス解析によって得られる免疫プロファイル, ネオエピトープ, 抗原提示機能などの多面的な免疫学的指標を包括的かつ視覚化できるような新規バイオマーカーを確立することで, 口腔癌免疫療法の治療効果予測モデルの構築を目指す. 本診断法によるバイオマーカーの開発により, 癌免疫療法への適応患者の層別化と適切な時期に免疫チェックポイント阻害薬を投与することが可能となることで,より強力かつ有効な免疫チェックポイント阻害剤による口腔癌治療レジメの確立に寄与することが期待される. 2023年度は口腔がん患者の臨床情報収集・検体採取を行った症例から,とくに複数のリンパ節転移を認める症例を中心にTCRレパトア解析を行った. その結果, 同じ転移陽性リンパ節組織においても異なるTCRレパトアを形成していることが判明した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
目標検体数へ順調に到達してきており,検体保存,検体処理方法についても支障が無く対処している.また,研究のフォーカスを複数の転移陽性リンパ節を伴う症例とすることで, より新規性の高い研究デザインとなったため, おおむね順調に研究が進展している.
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今後の研究の推進方策 |
口腔がん生検あるいは切除時の切除材料を用いて, 病理組織学的評価ならびにPDL-1およびT細胞マーカーに関する免疫組織学的解析を行うことで, より詳細な免疫応答を解明していく.
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