• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

顎骨骨幹異形成症(GDD)の発症にノンコーディングRNAは関与するか?

研究課題

研究課題/領域番号 22K10119
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分57060:外科系歯学関連
研究機関広島大学

研究代表者

水田 邦子  広島大学, 医系科学研究科(歯), 助教 (40432679)

研究分担者 飛梅 圭  広島大学, 医系科学研究科(歯), 准教授 (40350037)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
キーワードANO5 / GDD / TMEM16E
研究開始時の研究の概要

10回膜貫通分子であるTMEM16E/ANO5のヘテロ変異が、稀な骨系統疾患である顎骨骨幹異形成症(GDD)を発症させるとされてきたが、その発症機構はいまだ解明されていない。
GDDは顎骨の骨性異形成症、四肢の易骨折性、長管骨骨幹部皮質の肥厚を臨床的特徴とする。なかでも、顎骨の骨性異形成症は時にアグレッシブな腫瘍性の増殖を呈することがあり、この骨リモデリング異常にはTMEM16Eミスセンス変異とは別の因子の関与が予測される。本研究では, RNAシークエンスによる遺伝子発現量の解析などの網羅的解析により、骨リモデリング異常に関わる標的遺伝子を抽出し、GDD発症のbiologyを解明する。

研究実績の概要

10回膜貫通分子であるTMEM16E/ANO5のヘテロ変異が,稀な骨系統疾患である顎骨骨幹異形成症(GDD)を発症させるとされてきたが,その発症機構はいまだ解明されていない。
TMEM16Eの罹患者特異的な変異は細胞外ループ領域に存在することが多く,変異アレル産物の立体構造の変化が疾患の発症を制御する可能性が考えられたが,作製した動物モデルではGDDの臨床症状の再現まで至っていない。骨系統疾患であるGDDが,アミノ酸変異をもつTMEM16E(TMEM16Egdd)により発症するメカニズムは,現在までのところ不明なままである。TMEM16Egddの複合体形成能,あるいは複合体に含まれるカルシウムイオンチャネル活性化能に獲得形質が認められる可能性を想定し,これまで遺伝子改変マウスを作製し研究をすすめてきたが,疾患特異的な症状が認められていない。
上皮細胞を強制的に間葉系に誘導させるとTMEM16Eが存在する領域にノンコーディングRNA(ncRNA)が発現することを申請者らは偶然にも見出した。ncRNAはタンパク質をコードしないRNAであり,生体組織で多様な生理機能に関与し,疾患の発症に寄与することが明らかになりつつある。連鎖解析で疾患遺伝子座位が存在すると考えられた領域に間葉系細胞特異的に発現上昇するncRNAの存在は,GDD発症機構を解明する新たな可能性を見出だすことが予想され,GDD患者の顎骨病変部より樹立した細胞株(OD-1)とさまざまな細胞株や健常組織の公開されているトランスクリプトーム情報と遺伝子発現の変化についての比較検討を行い,GDD患者に特異的に発現変化する遺伝子を抽出することを目的に計画していたが,前年度に引き続き,いまだGDD患者に特異的に発現変化する遺伝子の抽出に至っていない。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

本研究では,GDD患者に高発現する新規ncRNAを切り口として新たな骨代謝制御シグナルの解明を目指し,病因の一端や新規治療の可能性に発展させたいと考えているが,現在までの段階で,GDD発症機構に関与する可能性のあるncRNA同定に時間がかかっており,研究の進行に遅れをとっている。

今後の研究の推進方策

引き続き,GDD発症機構に関与する可能性のあるncRNAの同定とその解析を行う。候補分子が抽出できれば,GDD患者の顎骨病変部より樹立した細胞株とさまざまな細胞株や健常組織の公開されているトランスクリプトーム情報と遺伝子発現の変化についての比較検討を行い,GDD患者に特異的に発現変化する遺伝子を抽出し,得られたデータをもとに,in vitro機能解析により細胞の分化増殖活性化制御機構におけるその役割を明らかにし,さらには疾患発症の分子機構を解明する糸口をつかみたい。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Chemical inhibition of LSD1 leads to epithelial to mesenchymal transition in vitro of an oral squamous cell carcinoma OM-1 cell line via release from LSD1-dependent suppression of ZEB1.2023

    • 著者名/発表者名
      Yamakado N, Okuda S, Tobiume K, Uetsuki R, Ono S, Mizuta K, Nakagawa T, Aikawa T.
    • 雑誌名

      Biochem Biophys Res Commun.

      巻: in press ページ: 23-29

    • DOI

      10.1016/j.bbrc.2023.01.062

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] A case of costochondral graft reconstruction applied to a patient with micrognathia with open bite due to bilateral mandibular condyle defects.2023

    • 著者名/発表者名
      Mizuta K, Uetsuki R, Ono S, Shintaku U, Matsushita Y, Higuchi M, Nakagawa T, Morita C, Kurosaka H, Yamashiro T, Aikawa T
    • 学会等名
      The 62nd Congress of the Korean Association of Maxillofacial Plastic and Reconstructive Surgeons
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 口腔扁平上皮癌OM-1でのLSD1阻害はLSD1依存的ZEB1遺伝子抑制を解放しEMTを引き起こす2023

    • 著者名/発表者名
      山門奈央,飛梅 圭, 奥田哲史,赤木美沙季,庭田千恵子,植月 亮,中川貴之,水田邦子,小野重弘,相川友直
    • 学会等名
      第68回(公社)日本口腔外科学会総会・学術大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi