研究課題/領域番号 |
22K10124
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
吉岡 秀克 大分大学, 医学部, 客員研究員 (00222430)
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研究分担者 |
佐々木 隆子 大分大学, 医学部, 客員研究員 (30133193)
矢野 博之 大分大学, 医学部, 客員研究員 (50448552)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 非コードRNA / 長鎖非コード(lnc)RNA / コラーゲン / 硬組織 / 骨芽細胞 / 細胞外マトリックス / circ(環状)RNA / コラーゲン発現 |
研究開始時の研究の概要 |
骨や歯牙の硬組織は主にコラーゲンやハイドロキシアパタイトよりなる。中でもコラーゲンは硬組織の“鉄筋”として働き、生物の発生、細胞分化、組織再生等にも重要な役割を担っている。私たちは長年、コラーゲンの転写調節機構について明らかにしてきた。本研究では転写後の非コードRNAによる発現調節機構を明らかにし、硬組織を対象にした医薬品開発等の医療への応用をめざす基礎研究を行う。
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研究実績の概要 |
骨や歯牙の硬組織は共通にコラーゲン及びハイドロキシアパタイトを多量に含む組織であり、これらの物質は硬組織内の細胞環境の保持に重要な働きをしている。特に有機物質であるコラーゲンは骨芽細胞や象牙芽細胞により産生され、他の細胞外マトリックス分子と共に細胞の機能調節に大きな影響を与える。長年、私たちのグループは転写或いは転写後レベルでのコラーゲン分子の発現調節について解析している。最近のゲノム配列解析の結果よりヒトの遺伝子においてコードRNA(タンパクを産生)より非コードRNA遺伝子が2倍以上存在することが明らかになり、その機能が注目されている。私たちは非コードRNAの中でマイクロRNA(miR)に属するmiR-29が転写因子と協調して、骨芽細胞におけるV型コラーゲンの遺伝子発現調節に関与していることを見出した。一方、マイクロRNAより塩基数が多い長鎖非コード(lnc)RNAもまた遺伝子の調節関与していることが知られるようになってきた。骨芽細胞におけるlncRNAについてその発現を調べると、骨分化につれて発現が増加するlncRNAが複数見られた。今回、その中でlncRNA-Yに注目して解析を行った。lncRNA-YのsiRNAを骨芽細胞に加えるとV型コラーゲンa1鎖遺伝子が抑制された。さらにこのlncRNA-Yに結合部位を持つと予想されるマイクロRNAであるmiR-Aのインヒビターを加えるとその発現は増加し、それらを同時に加えると元に復した。これらの結果はコラーゲンの遺伝子発現がlncRNA、miRの非コードRNAネットワークで制御されていることを示唆している。今後、そのメカニズムの詳細を解析する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
非コードRNAであるmiR-29がコラーゲン遺伝子発現に関与することを見出し、現在、関与するlncRNAを網羅的し調べ、現在、1種類のlncRNAに絞って解析をはじめたところである。コロナの影響で研究打ち合わせがリモートである等の理由により、新しい知見を充分に補強するステップまでには至ってはおらず、研究の進捗状態はやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
現在、有力候補として同定しているlncRNAに関し、それを証明するエビデンスを得る実験を行い、さらにlncRNAとマイクロRNAの関係についても解析をすすめ、硬組織に発現するコラーゲンの調節における非コードRNAネットワークを明らかにする。
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