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咽頭諸器官の発生におけるSHHシグナリングの役割

研究課題

研究課題/領域番号 22K10134
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分57060:外科系歯学関連
研究機関日本女子大学

研究代表者

奥原 滋  日本女子大学, 家政学部, 研究員 (10451973)

研究分担者 森田 圭一  東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授 (10396971)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
キーワード咽頭 / 喉頭蓋 / Shh / Foxc1 / 軟骨 / 喉頭 / 甲状軟骨 / Sonic hedgehog
研究開始時の研究の概要

咽頭・喉頭は食物と空気の通る重要な場所だが、消化器と呼吸器が交わり誤嚥などのトラブルの起こる場所でもあるので、その発生機序解明は先天異常の理解のためにも重要である。そこで、発生学・組織学の手法を用いて発生過程を明らかにし、Shhシグナリングのエンハンサー欠失モデルマウスを用いて発生異常発症メカニズムにも迫る。
一方、同部位に先天異常を持つヒトで同意を得られた個人から、倫理委員会の指導と承認のもとでゲノム解析を行う。
エンハンサーに制御されたShhシグナリングが発生にもたらす役割を、ヒト・マウス相互に活用することで明らかにする計画である。

研究実績の概要

本研究で用いている喉頭蓋低形成モデルマウスで喉頭蓋の低形成を可視化する方法を検討した。固定の有無と固定液の種類、固定と切り分けの順序、撮影方法を検討した結果、無固定で咽頭部を矢状断し実態顕微鏡下で撮影する方法と、切り分けた上半身から更に脳及び頭蓋を除去しホルマリン固定後矢状断組織切片を作成する方法を選択した。microCTでの造影も可能であったが、水分を多く含む組織と周辺に付着した水分とが区別しづらいことから主たる選択とはしないことにした。
喉頭蓋、甲状軟骨、披裂軟骨、それに続き肺へ至る気管軟骨までを切り出して可視化する方法についても検討した。一般に単に切り出して実態顕微鏡下で撮影する方法と、骨軟骨染色を施す方法があるが、同一サンプルをまず前者次いで後者に用いることができることを正常マウスで確認した。
モデルマウスでは喉頭蓋内の軟骨が低形成なので、軟骨形成過程の異常を明らかにするために、軟骨形成のマーカー遺伝子発現の状態を検出する方法を確認した。軟骨形成の主たる転写因子Sox9の発現を免疫組織化学染色とin situ hybridization法で、その下流で働くCol2a1等軟骨基質マーカーの発現をin situ hybridization法で検出する条件設定を確立した。喉頭蓋軟骨は弾性軟骨として知られることから、弾性繊維elastinを検出する方法としてvan gieson elastic stain法、victoria法、in situ hybridization法全てを確立した。
本研究の対象のひとつ喉頭蓋は、ヒトでは食物に押されて後方に曲がり気管の入口すなわち喉頭を文字通り蓋するが、他の動物の喉頭蓋の動作・機能を文献的に調べたところ、この動きはヒト特異であることが明らかになった。これを整理し、喉頭蓋・気管・食道の関係を進化的な観点から明らかにすべく情報を整理している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

モデルマウス系統が一般的な繁殖頻度に比して著しく遅い。研究代表者が当該年度後半に家庭の事情により研究に時間を割きにくかった。

今後の研究の推進方策

モデルマウスのサンプルが得られ次第、咽頭諸器官が低形成である状態を新生児で立体的に、また組織学的に可視化する。次に、主たる構成成分である軟骨の発生過程を胎児期に遡って検討する。特に、喉頭蓋軟骨と、隣接する甲状軟骨やその連続にある披裂軟骨は軟骨原器の形成や軟骨としての成熟過程に時差があることを明らかにしつつあるので、これを追求する。特に、甲状軟骨・披裂軟骨・気管軟骨は気道や肺の発生に後続し、かつ従属的である一方、喉頭蓋軟骨は気道の発生に続発せず間が1.5日程あり、甲状軟骨ともその発生過程が同時ではないことが明らかになり、むしろ消化管周囲の支持組織として発生するようであるので、この点を分子発生学的に追究したい。
モデルマウスはShhシグナリング低下マウスと転写因子Foxc1の機能不全マウスである。軟骨形成においてShhシグナリングとFoxc1の間に相互作用があることが過去に報告されているので、前者でFoxc1発現異常があるか、後者でShhシグナリング異常があるか検討する。異常があれば、両系統の交配で低形成程度の変化を期する。
モデルマウスでは気道そのものの発生には異常がないことを示すため、気道の発生過程を示すような組織学的検討方法を確立する予定である。気道と肺は消化管から、Wntシグナルが部分的に低下すると、その場所から発生してくること、その低下には抑制遺伝子が関わることがこれまでの研究で明らかになっているので、これらをin situ hybridization法により検出する方法を確立する。
喉頭蓋は、ヒト成人では気道の入口すなわち喉頭に文字通り蓋をするために食物に押されるなどの方法で後方へ倒れるように曲がる動きがあるが、ヒト乳児や他の動物と比較すると喉頭蓋の機能・動作はだいぶ異なるようである。これについて、動物学的分類に基づく整理を行い、進化的な観点から考察できることを目指す。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 新規免疫チェクポイント分子ILDR2 の発現2022

    • 著者名/発表者名
      張晨陽、奥原滋、永井重徳、東みゆき
    • 学会等名
      第64回歯科基礎医学会学術大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] A novel immune checkpoint molecule, ILDR2 is upregulated in the inflammatory by brain2022

    • 著者名/発表者名
      Farzana Sultana, Chenyang Zhang, Shigeru Okuhara, Sigenori Nagai, Miyuki Azuma
    • 学会等名
      第87回口腔病学会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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