研究課題/領域番号 |
22K10135
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 神奈川歯科大学 |
研究代表者 |
沢井 奈津子 神奈川歯科大学, 歯学部, 准教授 (10403031)
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研究分担者 |
安部 貴大 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (20383250)
小澤 重幸 神奈川歯科大学, 歯学部, 特任准教授 (40434394)
岩渕 博史 国際医療福祉大学, 国際医療福祉大学病院, 教授 (50265914)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | BCL2 / 扁平上皮癌 / PET/CT / オートファジー / 頭頚部癌 |
研究開始時の研究の概要 |
がん細胞におけるBCL2タンパクの発現低下がオートファジー(細胞が自らを分解して再利用すること)の活性化に関与することが明らかとなっている。これまで本研究グループはがん組織におけるBCL2の陽性率とPET/CTにおける18F-FDG集積に負の相関関係があることを解明した。これはがんがある部位の糖代謝が活発であるほどBCL2の発現が低下していることを意味する。本研究の目的は、① オートファジーを介した口腔扁平上皮癌におけるBCL2の新たな役割を解明し、② 既存のBCL2阻害薬を頭頸部がんに適応拡大するための基礎的データを構築することである。
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研究実績の概要 |
頭頚部扁平上皮癌における18F-FDG PET/CT の正診率向上と、がん細胞への18F-FDG集積に関わる分子の検索を目指し研究に従事してきた。その結果、原発巣と転移した頸部リンパ節内の癌組織において、BCL2 (抗細胞死効果および細胞の増殖に関与するがん遺伝子) の発現と、18F-FDGの集積に負の相関関係があることを見出した。 近年、オートファジーのメカニズムが詳細に解明され、① 正常細胞の新陳代謝 (デトックス効果) に重要な役割を有すること、② 細胞死にはカスパーゼを介するアポトーシス性細胞死以外に、オートファジーによる細胞死が存在すること、③ がん細胞では、自身の一部をオートファジーで自食し、低栄養に耐えること、④ がん細胞におけるBCL2の発現低下がオートファジーの活性化に関与することが明らかとなっている。これまで申請者が解明した「がん組織におけるBCL2の陽性率と18F-FDG集積の負の相関関係」から読み取れる新たな仮説として、グルコース依存性が高いがん細胞は、グルタミンや脂質など、他の栄養源に依存することなく、しかしながら、低酸素や糖飢餓状態などが刺激となり、BCL2遺伝子発現低下を介したオートファジーによる自食機能を介して生きながらえる可能性が考えられた。よって、本課題は、① オートファジーを介した口腔扁平上皮癌におけるBCL2の新たな役割を解明し、② 既存のBCL2阻害薬を頭頸部がんに適応拡大するための基礎的データ構築のために役立つ非常に意義深いものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これまでに、口腔扁平上皮がんの患者サンプルを用いてオートファジーマーカー、グルコース代謝バイオマーカーの免疫染色およびその解析を行い、そのデータとSUVmaxとの相関を解析している。BCL2 の発現と、18F-FDGの集積に負の相関関係があることを見出した。同一個体での非がん部分との比較による確認が必要であり、非がん部分の標本の抽出、染色およびその解析を行った。このデータ収集に予定を上回る時間を要したため、当初の予定よりやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は患者サンプルの整理を完了させ、全サンプルに対する解析を行うとともに、対象患者において、全生存率、全生存期間、無病生存期間、局所制御期間、患者背景に関するリサーチを行う。患者背景情報、各バイオマーカーの細胞陽性率、SUVmaxを因子として、全生存率、全生存期間、無病生存期間、局所制御期間に関する多変量解析を行う。2024年度は最終年度となるため、得られた成果を学会発表、ならびに論文発表という形で広く公表することを目標とする。
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