研究課題/領域番号 |
22K10141
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
|
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
豊福 明 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (10258551)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 舌痛症 / 非定型歯痛 / 口腔セネストパチー / 歯科心身症 / Duloxetine / 心身医学療法 / Phantom bite syndrome / Amitriptyline / 咬合異常感 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、歯科医師が歯科心身症と思われる患者を前にして、何を診て、どのように介入し、どう治療していけば良いかの臨床的指針の確立を目指す。研究方法としては、当科に蓄積された豊富なReal world dataを解析し、病態把握の診断ツール、治療選択に資する予測因子を探索した後、寛解基準や疾患分類の見直しを行い,治療レジュメの最適化を図る。疾患横断的な診断治療体系の再構築の一方で、脳機能画像等の生物学的指標と比較的容易に評価できる心理社会的指標に着目し、日常口腔外科臨床の中で実践可能な診断・治療レジュメを確立することを目指す。
|
研究実績の概要 |
歯科医師、特に若手の口腔外科医が歯科心身症と思われる患者に遭遇した時、何を診て、どのように介入し、どう治療していけばよいかの臨床的指針の確立を目指し、臨床的データの解析からサブタイプの同定を試みながら、SNRI処方マニュアルの作成を行った。 1.精神科通院中の舌痛症患者の治療の在り方について2報の具体的な症例報告を基に検討した。 2.多数例の舌痛症患者の臨床的特徴を精神科既往歴の有無を切り口に解析し、症状の表現型(訴え方;多彩さや漠然さなど)の違いを明らかにした。3.経過中にレビー小体型認知症を併発した舌痛症の症例報告を行い、高齢者で非定型的な経過をたどるタイプに本症の潜在を考慮すべきことを明らかにした。4.CIVID-19 pandemic下の当科受診患者の動向を解析し、平時に比べて精神疾患合併した歯科心身症患者が増加していたことを明らかにした。5.慢性疼痛患者の大脳皮質における半球間抑制についてfMRIなどの脳機能画像解析を行い、患者群では同じ刺激に対しても痛みが早く、強くなりやすく、長引きやすいことを明らかにした。6.長期経過を追えた薬物性開咬症例について症例報告を行い、歯科的関与の重要性を明らかにした。7.2023年2月に保険適応が拡大されたDuloxetineの処方マニュアルを作成し、日本歯科心身医学会の主要認定施設に配布した。8.歯科医師国家試験出題基準に収載された「口腔セネストパチー」の概念的整理を過去100年間の文献を渉猟して行い、日本歯科心身医学会からポジションペーパーを提出した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
やや掲載に至るまでの時間を要したものの、印刷中のものも含め概ね順調に論文発表ができた。治療薬のtherapeutic window(治療窓)やminimum optimal dose(至適最小用量)の解析にやや難渋しているが、新しい評価法(Goal Attainment Scaling)も取り入れることで打開できる見通しであるから
|
今後の研究の推進方策 |
治療薬のtherapeutic window(治療窓)やminimum optimal dose(至適最小用量)の解析結果を論文化し、治療反応性から疾患横断的な病態生理学の推定を試みる。一方で痛みを訴える患者を咬合異常感を訴える患者とでは性格特性の違いを示唆するデータも得られており、その検証を進めていきたい。
|