研究課題/領域番号 |
22K10146
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
小泉 浩一 広島大学, 医系科学研究科(歯), 助教 (30335682)
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研究分担者 |
吉岡 幸男 広島大学, 医系科学研究科(歯), 助教 (20335665)
濱田 充子 広島大学, 病院(歯), 助教 (30760318)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 口腔癌 / 血中循環腫瘍細胞(CTC) / リキッドバイオプシー / 無細胞DNA(cfDNA) / CTC |
研究開始時の研究の概要 |
固形癌の特徴は周囲組織への著しい浸潤性増殖と遠隔臓器への転移巣の形成である。腫瘍細胞塊から血管内へ浸潤する癌細胞の大半は自己免疫系により死滅するが、その内ごく少数が免疫系の攻撃をすり抜け、血中循環腫瘍細胞(CTC)として血液内を循環し、転移巣を形成すると考えられている。近年、乳癌、前立腺癌、大腸癌などの転移性症例において、血液中のCTCは治療効果の判定や予後予測因子として有用性が認められている。そこで我々は、口腔癌患者においてCTCの検出、さらにその細胞特性を解析し、口腔癌の臨床病態との相関性、治療効果の判定基準及び予後予測システムの開発研究を行う。
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研究実績の概要 |
口腔癌患者において血中循環腫瘍細胞(Circulating Tumor Cell:CTC)の検出・解析を行い、臨床病態との相関性、治療効果の判定基準及び無増悪生存率(PFS)や全生存率(OS)などの予後予測システムの開発を行っている。 当科を受診した口腔癌患者から血液を採血して、「celsee prep 100」に注入しCTCの検出を検討したが、早期癌や予後良好の患者で検出されたり、全身転移し予後不良口腔癌患者で検出されなかったケースも散見された。さらに同一患者で複数回の測定を同時に行うも結果にばらつきがあった。そこで分析方法をポアサイズが8μmのマイクロフルーディックデバイスを用いて蛍光顕微鏡による解析に変更して行なっている。 現在のところ、当科を受診し本研究に同意が得られた10名の口腔癌患者を対象に初診、術前、術後で採血を行い、4ml中のCTC数の変化について検討している。全ての症例で初診時にCTCを確認しており、その個数は1~15個であった。術後にCTC数が減少した症例が7例(その内完全消失が1例)で、逆に増加した症例が3例であった。さらに3例が再発もしくは転移を認めており、それらの症例のCTCの変化は初診、術前、術後で6→0→4、9→5→1、1→15→5であった。引き続き現在も再診時に採血を行いCTC数の測定を継続中である。 これまで結果からはCTCが予後や再発等のバイオマーカーとは言いがたく、現在血清1mlから無細胞DNA(cell free DNA:cfDNA)の量を測定し、両者で病態の変化について検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
CTC検出方法はこれまで試行錯誤して研究していたが、マイクロフルーディックデバイスを用いて蛍光顕微鏡による解析で順調に行えるようになった。しかしながら、このCTC数のみでは口腔癌の予後との相関性を見い出せず、現在はcfDNA量を測定して、両者で検討中である。
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今後の研究の推進方策 |
本研究に同意が得られた10名の口腔癌患者に対して、今後も継続的に採血でCTC数の測定を行い、また同時にcfDNAの量を測定し、両者で病態の変化について検討していく予定である。 さらに新規の進行癌患者や早期癌患者などの症例についても同様の研究を行い、病態や予後について検討していく予定である。
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