研究課題/領域番号 |
22K10151
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
富田 和男 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 講師 (60347094)
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研究分担者 |
桑原 義和 東北医科薬科大学, 医学部, 准教授 (00392225)
五十嵐 健人 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (00822876)
佐藤 友昭 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 教授 (10284887)
栗政 明弘 東北医科薬科大学, 医学部, 教授 (80343276)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ミトコンドリア / フェロトーシス / がん / 脂質過酸化 / 過酸化水素 / 酸化ストレス / 放射線・薬物抵抗性 / リポキシゲナーゼ / 放射線治療抵抗性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、主たる鉄利用細胞内小器官で活性酸素の最大の発生源であるミトコンドリアを標的とし、フェロトーシスを誘導することで、放射線・薬物抵抗性が克服可能なことを世界に先駆けて証明する。具体的には、放射線に抵抗性を示すCRR細胞に対してミトコンドリア移植、解糖系の抑制、電子伝達系の活性化、リポキシゲナーゼの過剰発現などを行うことでミトコンドリア機能を活性化させ、その後放射線や過酸化水素などでフェロトーシスを誘導し、未処理と比較して、フェロトーシス誘導が起こりやすくなるか検討する。
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研究実績の概要 |
本研究はミトコンドリアを標的とした放射線・薬物抵抗性の克服を目的としており、子宮頸がん細胞株であるHeLaと口腔がん細胞株であるSASおよび、その治療抵抗性細胞株HeLa-R, SAS-Rを用いて解析を行っている。CRR細胞においては、ミトコンドリアの膜電位の低下や、ミトコンドリアや細胞膜の酸化を司り、活性化に鉄を要求するリポキシゲナーゼ12 (ALOX12)の発現減少が報告されているので、CRR細胞でALOX12を過剰発現しストレス添加後の細胞内過酸化水素量及び脂質の過酸化を解析した。その結果、ALOX過剰発現細胞ではストレス添加後の内在性過酸化水素量と脂質の過酸化の増大がみられ、親株でリポキシゲナーゼを阻害するとストレス処理後の内在性の過酸化水素量や脂質の過酸化が抑えられるた。また、CRR細胞では内在性の2価鉄の量が少ないことから、鉄依存性の脂質過酸化の量がリポキシゲナーゼの活性に依存しており、鉄依存性細胞死であるフェロトーシスを制御することが予想された。また、CRR細胞は放射線照射を行わないと半年から1年でその抵抗性が失われるが(NoIR細胞)、その際のミトコンドリア機能について膜電位を指標に調べたところ、CRR細胞で低下していたミトコンドリア膜電位はNo-IR細胞で回復していた。また、酸素消費量を親株、CRR細胞、No-IR細胞で比較したところ、CRR細胞で低下していた酸素消費量がNo-IR細胞で親株と同レベルに回復していた。CRR細胞では解糖系を亢進させるHIF-1の発現が上昇し、解糖系の酵素であるホスホフルクトキナーゼの発現も上昇していること、さらには培地のグルコースをガラクトースに置換すると抵抗性が失われることなどから、ミトコンドリア機能と治療抵抗性に強い関係があることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ミトコンドリアを標的とした治療抵抗性克服を目指して研究を進めているが、治療抵抗性とミトコンドリアが強く関係していることを昨年度に引き続き本年も別のアプローチにて明らかにすることが出来たため。
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今後の研究の推進方策 |
放射線に抵抗性を示すCRR細胞に対してミトコンドリア移植、電子伝達系の活性化、また、ミトコンドリアをターゲットとした治療抵抗性を克服できる薬物候補 として挙げられるメトホルミンや牛車腎気丸などの効果についてフェロトーシスを指標に検討する。
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