研究課題/領域番号 |
22K10163
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
大賀 則孝 北海道大学, 歯学研究院, 助教 (40548202)
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研究分担者 |
北川 善政 北海道大学, 歯学研究院, 教授 (00224957)
坂田 健一郎 北海道大学, 大学病院, 助教 (10826051)
山村 凌大 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教 (40880000)
佐藤 淳 北海道大学, 歯学研究院, 准教授 (60319069)
園下 将大 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 教授 (80511857)
長谷部 晃 北海道大学, 歯学研究院, 教授 (90281815)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | マイクロバイオーム解析 / 唾液 / 口腔癌 / メタ16S解析 / 慢性炎症 / 口腔カンジダ症 / IL-17 / 炎症性サイトカイン |
研究開始時の研究の概要 |
口腔癌は超高齢化社会の本邦で増加している疾患で、進行して受診する患者が多い。したがってその予防法の確立は喫緊の課題である。口腔癌患者では口腔清掃状態が不良であることが多い。代表者は口腔細菌叢の変化が口腔癌の発癌と進行に関与する可能性があるとの仮説を立てた。本研究では、健常者・前癌病変・口腔癌患者・口腔進行癌患者の唾液から口腔細菌叢を比較し、細菌叢の変化に伴う唾液中の炎症性サイトカインが口腔癌の発癌・進行にどのように関与しているか検討する。口腔癌を口腔細菌叢・炎症性サイトカインの観点から解析するこれらの研究は口腔癌の発癌や進展の予防法の創出に大きな貢献をなすと期待される。
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研究実績の概要 |
口腔癌は超高齢化社会の本邦で増加している疾患である。未だにかなり進行して受診する患者が多く口腔癌の予防は重要である。我々は唾液中の口腔細菌叢(マイクロバイオーム)の変化が口腔癌の発症と進行に関与する可能性があるのではないかと考えた。口腔進行癌患者癌の発症や進行において細菌叢の変化や細菌叢の変化に伴う唾液中の炎症性サイトカインがどのように関与しているかについて検討を行った。 具体的には、進行口腔癌患者の唾液中の術前と術後の1)マイクロバイオーム解析と2)口腔癌患者の唾液中の炎症性サイトカインの解析を行っている。再建手術を必要とした進行した口腔癌15例の唾液の術前・術後の唾液を回収し、メタ16S解析を行った。メタ16S 解析では全ての細菌に普遍的に存在する必須遺伝子の一つである16S rRNA 遺伝子を標的とした PCR 増幅を行い増幅産物を NGS で網羅的にシークエンスした。 口腔癌症例については、島根大学医学部附属病院口腔外科の管野貴浩教授のグループと連携して症例数を重ね、貴重な30検体(術前15検体、術後15検体)の唾液をテクノスルガラボと連携して解析した。口腔細菌叢の変動が発癌に影響を与え、特異的な細菌叢やそれに由来する代謝産物がもし同定できれば、口腔癌の予防法や発症のメカニズム解明につなげていけるのではないかと考えている。すでに特異的な細菌叢の候補を同定している。 また唾液サイトカインについてすでに本研究グループは重度口腔カンジダ症の唾液中のIL-17A濃度が有意に低下していることを論文化している。口腔カンジダは口腔内でアセトアルデヒドを生成する能力があると言われており慢性炎症の状態である口腔癌においても関与が考えられるが、悪性転化にカンジダが関わる役割について不明な点が多い。進行口腔癌患者の唾液のIL-17を中心とした炎症性サイトカインについて解析したいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
口腔再建手術を要した進行口腔癌の手術前後の唾液サンプル30例の回収が終わり、マイクロバイオーム解析は終了した。1000種類以上の腸内細菌叢の菌種構造およびその機能遺伝子を現在解析中である。具体的にはサンプルごとの分類学的構成および菌種組成比較、多様性解析を行い、癌の進行度との関係を解析、考察予定である。
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今後の研究の推進方策 |
具体的には口腔癌患者の30検体(術前15検体、術後15検体)サンプルごとの分類学的構成および菌種組成比較、多様性解析を行い、臨床的な癌の進行度との関係を解析、考察予定である。
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