研究課題/領域番号 |
22K10167
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
前川 博治 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (10711012)
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研究分担者 |
丹羽 均 大阪大学, 大学院歯学研究科, 教授 (30218250)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ドパミンD2受容体作動薬 / 神経障害性疼痛 / ドーパミン受容体 |
研究開始時の研究の概要 |
神経障害性疼痛は、患者の生活の質を大きく損ない、社会生活の維持を困難にしうる、治療の重要性の高い疾患である。既存の治療薬の効果は限定的で、別の作用機序を持つ新たな治療薬が望まれる。 我々は、ドーパミンD2受容体作動薬が、神経障害性疼痛モデル動物の疼痛を抑制することを明らかにしたが、その機構の解明は不十分である。 本研究では、三叉神経脊髄路核尾側亜核のドーパミンD2受容体に着目し、発現の変化や、他の薬剤との相乗作用が得られるかを調べ、ドーパミン神経系が神経障害性疼痛を緩和する機構をさらに解明し、新たな治療薬につながる、疼痛緩和の標的としての、ドーパミン受容体の機能を解明することを目的とする。
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研究実績の概要 |
ラットの眼窩下神経を結紮し、神経障害性疼痛モデル(ION-CCIラット)を作製した。ION-CCIラットと、偽手術(神経結紮以外の処置を施す)を行ったラット(sham)、ION-CCIラットに抗CGRP抗体を投与した群(ION-CCI+CGRP Ab)、ION-CCIラットにcontrol IgGを投与した群(ION-CCI+ctrl IgG)に対して、三叉神経脊髄路核尾側亜核(Vc)に発現するドパミンD2受容体に対する蛍光免疫染色を行った。その結果、sham群と比較して、ION-CCIラットとION-CCI+ctrl IgG群で、ドパミンD2受容体の免疫反応性が増加していた。また、ION-CCI+CGRP Ab群のドパミンD2受容体免疫反応性は、ION-CCI群とION-CCI+ctrl IgG群に対して減少していた。ION-CCIラットは、鼻毛部の機械刺激に対して、頭部の逃避反応を起こす閾値がsham群と比較して低下するが、ION-CCI+CGRP Ab群はその低下した閾値の上昇が認められた。ION-CCI+CGRP Ab群に、ドパミンD2受容体作動薬を投与したが、ION-CCI+CGRP Ab群と比較して有意差を認めなかった。また、鼻毛部の機械刺激を加えると、ION-CCI群ではsham群と比較して、Vcに発現するpERK陽性細胞数が増加し、ION-CCI+CGRPAb群ではION-CCI群と比較して減少した。ION-CCI+CGRP Ab群にドパミンD2受容体作動薬を投与したが、pERK陽性細胞数に変化は認められなかった。これらの結果は、ION-CCIラットに抗CGRP抗体を投与した後に、さらにドパミD2受容体作動薬を投与しても、さらなるアロディニアの減弱が生じないことを示唆する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画に記載した順序とは異なる部分があるが、研究期間3年の内の1年分の研究結果として過度の不足はないと考える。
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今後の研究の推進方策 |
計画調書の研究計画に則って遂行する予定である。ただし、今年度の研究では、一部計画の順序とは異って遂行した部分があるので、計画の内の未実施の部分について計画を遂行する予定である。
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