研究課題/領域番号 |
22K10170
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
高畠 清文 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (70736537)
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研究分担者 |
長塚 仁 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (70237535)
中野 敬介 岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (10325095)
辻極 秀次 岡山理科大学, 理学部, 教授 (70335628)
河合 穂高 岡山大学, 医歯薬学域, 研究准教授 (10803687)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 口腔扁平上皮癌 / 腫瘍間質 / 腫瘍実質間質相互作用 / 腫瘍微小環境 / 実質間質相互作用 / 細胞競合 |
研究開始時の研究の概要 |
研究代表者らは、腫瘍実質と間質の相互作用に着目した口腔癌進展抑制について取り組んできた。その結果、高浸潤性口腔扁平上皮癌株にヒト由来低浸潤型腫瘍間質を共培養させると、浸潤型扁平上皮癌株が高分化型で浸潤能の低い癌へ誘導可能であることを見出している。 そこで本申請課題では、ヒト由来腫瘍間質を用いた腫瘍微小環境再現により、腫瘍間質が実質の生物学的性格を変化させるメカニズムを解明し、浸潤性癌を切除可能な外向性増殖を示す癌へと改変させることにより、切除可能な癌へと導く新規治療法の開発に向けた基礎的研究を行う。
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研究実績の概要 |
本申請課題の目的は、ヒト由来口腔扁平上皮癌腫瘍間質を用いた腫瘍微小環境再現により、腫瘍間質が腫瘍実質の生物学的性格(分化度、浸潤能、遊走能、増殖活性等)を変化させるメカニズムを解明し、浸潤癌を切除可能な外向性増殖する癌へと改変させることにより、切除可能な癌へと導く新規治療法の開発に向けた基礎的研究を行うことである。研究期間内では、腫瘍間質が実質の生物学的性格を変化させている因子について検討を行った。 浸潤性癌と外向性増殖を示す疣贅癌の手術材料から無菌的に提出した腫瘍間質においてマイクロアレを実施したところ、浸潤性癌から樹立した腫瘍間質では、外向性増殖を示す癌から樹立した腫瘍間質と比較してCCL2が高発現していた。 CCL2はマクロファージ集族に関連する因子であるため、口腔扁平上皮癌腫瘍微小環境における腫瘍間質がマクロファージに与える影響について検討を行った。口腔扁平上皮癌細胞株としてHSC-3、浸潤癌および外向性増殖を示す癌から樹立した腫瘍間質を用いて、in vitro実験系においてマクロファージの遊走能および分化能について検討した。その結果、マクロファージ前駆細胞として使用したRAW264.7細胞は、HSC-3+浸潤癌腫瘍間質では、遊走能亢進やM2型マクロファージへの分化が観察された。一方で、HSC-3+外向性癌腫瘍間質では、RAW264.7細胞の遊走能の抑制が観察された。In vivo実験系(マウス頭蓋部皮下移植モデル)においても、HSC-3+浸潤癌腫瘍間質移植群の方が、HSC-3+外向性癌腫瘍間質移植群と比較して、腫瘍微小環境内への浸潤するM2型マクロファージが有意に多かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本申請課題の根幹をなす腫瘍間質の性格を把握できたため、概ね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
口腔扁平上皮癌の様々な亜型から樹立した腫瘍間質においてマイクロアレイで発現遺伝子の確認ができた。今後は、エクソソームや細胞競合に関連した因子の発現を検討し、腫瘍間質が実質の性格を変化させている因子についてより詳細に検討する。
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