研究課題/領域番号 |
22K10183
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 大阪医科薬科大学 |
研究代表者 |
植野 高章 大阪医科薬科大学, 医学部, 教授 (60252996)
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研究分担者 |
井上 和也 大阪医科薬科大学, 医学部, 講師 (00761503)
山口 誠二 中部大学, 生命健康科学部, 准教授 (50726198)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 顎再建 / チタン / 表面処理 / 擬似体液 / 人工チタン / フルカスタム / 積層造形 / 骨結合 / 微細構造 / 人工骨 / チタン積層造形 / 顎骨 |
研究開始時の研究の概要 |
患者適合型再建プレートが実用化することで、再建手術患者の術後機能回復は飛躍的に向上することが期待される。一方、ドナーとして自家骨を用いる場合は、腓骨、肩甲骨などを採取のため、手術侵襲、採取部位の感染や骨折などの術後合併症、採取量に限界があることなどが課題となる。しかし、この人口骨は実用化に至っていない。この課題を解決するために、自家骨と同等の生体親和性を持つ人工骨の開発を行い実用化を目指す。
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研究実績の概要 |
チタン(以下:Ti)はその生体親和性の高さから、整形外科や口腔外科分野での再建用デバイスに用いられているが骨結合が不十分で、再建部の緩みを生じデバイス破折の原因となる。再建デバイスの骨結合能は、再建部位において高い向上が望まれるがチタン人工骨においてはいまだに解決されていない課題である。 NaOH-CaCl2-加熱-ICl3処理(=ヨウ素処理)を施すことで、チタン表面にマイクロ・ナノポーラス構造を付与し、優れた親水性と、骨芽細胞様細胞活性が向上することを2022,2023年度で明らかにした。これらの技術を応用し、現在は顎再建に使用する人工骨の製造を積層造形法でチタン粒子から作製しその表面におけるヨウ素処理の最適化を擬似体液を用いて行っている(擬似体液:Kokuboらが開発した生体内での骨形成能をアパタイト形成能で評価する溶液として長年チタン研究で使用されている)。 その結果、積層造形チタン人工骨にヨウ素処理を施すと濃度によってマイクロ・ナノポーラスの大きさが異なり、それぞれの大きさによって形成されるアパタイト量に差が生じることを明らかとした。また、研究分担者山口は、処理方法を調整することで表面のマイクロ・ナノポーラスに階層構造を付与できることを明らかにした。 この技術をもとにして生体自家移植骨と同等の移植材料としての積層造形チタン人工骨の開発に向けた基礎研究を進めてきた。また、補足的にこの人工骨が抗菌性を有する可能性も認められた。これらのハイブリッド機能人工材料に開発への基礎研究を今年度は実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の根幹となるチタン表面性状の最適化に向けてマイクロ・ナノポーラス構造が2層構造を持ち優れた骨形成能を持つことが擬似体液中で証明された。従来の混酸・加熱処理によるチタンデバイスから研究目的である表面生状の生体内最適化についての一定の知見が得られたことより研究はおおむね順調に進展していると考えた。
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今後の研究の推進方策 |
ヨウ素処理による表面処理によってチタン表面にマイクロ・ナノポーラス構造を形成し、アパタイト形成能を向上させることが過去の研究で解明できた。2024年度はこの成果をもとに生体内でこの表面処理を応用したチタンデバイスの埋め込み試験を行い、除去する時の力学値、X先学的検査、組織学的検査から表面処理の有効性を検証する。 研究成果については日本口腔外科学会総会・学術集会などにおいて成果発表を行う予定としている。
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