研究課題/領域番号 |
22K10189
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
野上 晋之介 東北大学, 歯学研究科, 准教授 (70573575)
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研究分担者 |
熊本 裕行 東北大学, 歯学研究科, 教授 (70215028)
飯久保 正弘 東北大学, 歯学研究科, 教授 (80302157)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 進行性下顎頭吸収 / 炎症性サイトカイン / 抗TNF-α抗体 / 顎関節 / 顎変形症 |
研究開始時の研究の概要 |
進行性下顎頭吸収( PCR)は、骨格性下顎後退症に対して行う顎矯正手術後に下顎頭が進行性に吸収する病態をいい、術後の後戻りの原因の一つとなっている。その発症原因は不明とされてきたが、近年家兎を用いてより臨床に近いPCRモデルを作製し、その顎関節滑液から炎症性サイトカインであるTNF-αが過剰に発現していることを報告した。しかしながら、いまなお日常臨床において対処法がないのが現状である。 そこで本研究は家兎のPCRモデルに生物学的製剤(抗TNF-α 抗体製剤)を投与し、下顎頭吸収の進行を制御できることを画像・ 組織学的解析、さらに顎関節滑液を分子生物学的に解析する。
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研究実績の概要 |
進行性下顎頭吸収( PCR)は、骨格性下顎後退症に対する顎矯正手術後に下顎頭が進行性に吸収する病態をいい、術後の後戻りの原因の一つとなっている。その発症原因は不明とされてきたが、応募者らは家兎を用いてより 臨床に近いPCRモデルを作製した。その顎関節滑液内には炎症性サイトカインであるTNF-αが過剰に発現しており、PCR発症の原因の1つとして考えられることを報告した。そこで本研究は家兎のPCRモデルに抗TNF-α 抗体製剤を投与し下顎頭吸収について多角的に解析することで、抗TNF-α 抗体製剤のPCR の予防的効果を実証する。 2023年度は卵巣摘出した雌の家兎計24羽を使用した。卵巣摘出家兎の顎関節炎の誘発には感作としてフロイント完全アジュバンドを添加させたオボアルブミン(OVA)抗原液4mg/mlを家兎の上背部の5か所に皮内注射を行い、2週後にもう一度同様の皮内注射を行った。惹起は2回目の感作から5日後に40μg/100μlのOVA溶液を皮内注射し、上関節腔内に4mg/0.2mlのOVA溶液を注射し顎関節炎を誘発させた。最後に抗TNF-α 抗体製剤(エタネルセプト )を実験群1は0.4mg/kg、実験群2は0.8mg/kgを皮下注射し各群エタネルセプト投与直前と投与72時間後に顎関節滑液を採取した。 次に全身麻酔下で皮質骨骨切りをオトガイ孔と第一臼歯間で行った。次に自作製延長装置と固定し、待機期間を設けずに0.25mm/回を2回/日のペースで7日間の延長を行った。 各群延長終了1週後、2週後、4週後に4羽(8側)の試料(滑液・ 下顎骨)採取し下顎頭部の骨吸収を画像評価により検証した。 その結果、実験群2は実験群1に比べ、延長後1週で下顎頭吸収は軽度みられるものの、2週および4週では下顎頭吸収はみられなかった。現在、組織学的評価を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度に引き続き順調に試料採取まで終了している。今後は組織学的評価および回収した顎関節の滑液解析をすすめることで、顎関節炎を抑えることで下顎頭吸収の進行を制御できるかどうかを検証する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
HE染色、TRAP染色による組織学的評価と顎関節の滑液解析による炎症性サイトカインのタンパク量を比較検討する予定である。
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