研究課題/領域番号 |
22K10192
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
|
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
原田 浩之 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (40343149)
|
研究分担者 |
富岡 寛文 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (10436610)
佐々木 善浩 京都大学, 工学研究科, 准教授 (90314541)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 舌筋 / 再生 / ナノゲル / 舌癌 / 舌筋再生 / 多孔性ゲル |
研究開始時の研究の概要 |
口腔癌切除後の形態と機能の回復は、患者のQOLに大きく関与する。口腔癌の再建技術は進歩しているが、形態と機能の回復が十分得られているとは言い難い。舌癌は口腔癌の半数を占め、治療の第一選択は外科療法であり、病変の切除により形態的変化、運動障害、感覚障害などにより機能低下をきたす。 舌は筋組織から構成されており、同じ筋組織で補うのが最も良い方法であり、本研究はナノゲルを利用した柔軟な舌筋の再生が目的である。成功の先には、骨格筋および内臓筋の再生も可能となる。
|
研究実績の概要 |
舌は筋組織を柔軟に動かすことにより、摂食、咀嚼、嚥下、構音など重要な機能を担っている。舌癌は外科療法が第一選択であることから、手術後遺症に悩む患 者さんは多い。近年、再建手術も進歩しており、各種皮弁により形態は回復可能であるが、運動機能がないために患者の満足度は十分とはいえない。そこで、術後障害を回避のために、舌筋組織を再生することを目的に研究を進めている。 筋組織再生にはコラーゲンなどの天然高分子やPLLA, グラフェンなどの合成高分子などのバイオマテリアルを応用した研究報告があるが、舌筋に関しては、脱細胞化された舌組織の報告があるのみである。大きな欠損に対応し、かつ柔軟な筋を実現するためには、シートタイプやゲルタイプなど形態を考慮した足場の改 良が必要であり、これらの吸収速度、生体親和性、筋組織再生効果なども考慮している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
フィブロネクチンでコーティングされたナノゲル架橋ハイドロゲルを調製し、マウス筋芽細胞(C2C12)を接着させ、筋組織再生の足場として応用できるかどうか検討した。細胞核と細胞骨格であるF-アクチンを蛍光免疫染色し、共焦点レーザー顕微鏡で観察すると、良好な細胞接着が観察された。 現在、生体内での筋組織再生効果を評価するため、ヌードマウスの舌へ移植実験をおこなっている。ヌードマウス舌にモデル欠損を形成し、非ゲル移植群(コントロール群)、ゲル単独移植群、筋芽細胞複合化ゲル移植群の3群間で比較を行ったが、移植後1週、2週後のHE組織標本から再生筋線維数の計測を行うと、筋芽細胞複合化ゲル移植群では他の群と比較し、再生筋線維数の顕著な増加が観察された。
|
今後の研究の推進方策 |
多くのナノゲル機能性材料での検討を行う。材料の基礎物性評価と並行しながら、転写因子やエクソソームなどを複合化した材料と細胞との相互作用を分化マー カーの蛍光免疫染色やPCRにて評価する。
|