研究課題/領域番号 |
22K10206
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
田所 晋 鶴見大学, 歯学部, 非常勤講師 (70552412)
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研究分担者 |
井出 信次 鶴見大学, 歯学部, 助教 (00611998)
戸田 麗子 (徳山麗子 / 徳山 麗子) 鶴見大学, 歯学部, 学内講師 (20380090)
寺田 知加 鶴見大学, 歯学部, 助教 (40460216)
里村 一人 鶴見大学, 歯学部, 教授 (80243715)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 再生医療 / 細胞源 / 凍結切片 / 品質評価 / 凍結切片上培養 / 分化誘導 / 幹細胞 / 細胞増殖因子 / 細胞培養 |
研究開始時の研究の概要 |
再生医療の実用化に向けては、解決しなければいけない課題がある。目的とする臓器や組織の再生に最適な幹細胞の選別や幹細胞の培養は、様々な増殖因子や分化因子を様々な組み合わせて添加してする方法が主流であるが、添加因子の理想的組み合わせは未だ十分に決定されていない。 本研究では、これまでにわれわれが報告したiPS細胞の凍結切片上での培養法を応用して、どの幹細胞が目的臓器・組織の再生のための幹細胞として最適かを簡便かつ経済的に認識、選別できる新たな評価法の確立を目指す。
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研究実績の概要 |
現在行われている生体臓器移植や、人工臓器移植などの先端医療には、それぞれ拒絶反応や耐久性、機械的強度などの様々な問題点や限界がある。再生医療の実用化を目指す上で重要になるのが最適な細胞源の確保と分化誘導法の確立であるが、現在、細胞源の候補である胚性幹細胞、成体幹細胞、人工多能性幹細胞、いずれにおいても、どの臓器の再生を目指すときにどの細胞が最適であるかというところは不明のままである。また、分化誘導法としても、増殖・分化因子の組み合わせを添加し培養する方法が主流であり、添加因子の理想的組み合わせは未だに十分とは言い難く、決定は困難であるのが現状である。 そこで本研究では、これまでに研究代表者らがiPS細胞の分化誘導と品質管理において報告してきた方法を応用し、再生を目指す目的臓器の凍結切片上で各種幹細胞の培養を行うことにより細胞分化を誘導し、その誘導効率の差からそれぞれの幹細胞の目的臓器の機能細胞への分化しやすさ(分化特性)を評価することにより、どのような状態の幹細胞が目的臓器・組織再生のための細胞源として最適かを簡便かつ安価に検証し、選別できる新たな評価法を確立することを目的に研究を進めた。 昨年度までに、マウスの各種臓器・組織の凍結切片を作成し、まずは我々が入手しやすい歯髄幹細胞を対象に、すでに本法によりiPS細胞の分化誘導が可能なことが確認され、誘導効率の差による品質評価が可能であることが明らかとなっている脳、脊髄および肝臓を優先して文化誘導を試み、検証した。 今年度は、さらに多くの種類の臓器・組織から凍結切片を作成し、また対象となる幹細胞の種類を増やすとともに、幅広い年齢、性別の歯髄幹細胞を集めて検討することで、多くのクローンを解析し、品質評価や分化特性の評価につなげることができるか検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通りに進行しており、今後はさらに遺伝子発現、タンパク質発現などから分化誘導の成否を検証し、分化特性の検討へと準備が進んでいるため。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの検討において使用した各幹細胞からそれぞれ複数(5ー10個)のクローンを分離、増殖させた後、それぞれのクローンを各種臓器の凍結切片上で培養し、各クローン間で分化特性に差があるか否かを比較検討する。この方法はすでに研究代表者らがiPS細胞を対象として行ってきた分化誘導・細胞品質評価法を踏襲して行うこととする。すなわち、それぞれのクローンにおいて、分化誘導されている細胞をカウントし、播種した全細胞における分化誘導された細胞の割合を算出することで、それぞれの分化誘導効率とする。これをクローン間で比較検討することで、各クローンの分化特性の評価を行う。 加えて、インフォームドコンセントにより同意の得られた患者から、口腔顎顔面外科手術時に治療に影響せず余剰となった最小限の各種組織(骨髄や脂肪等)の提供を受け、その組織から成体幹細胞(間葉系幹細胞)を得、これまでと同様に比較検討することで、それぞれの幹細胞クローンにおける分化特性の違いを検討する。各クローン間に分化効率の差が認められれば、それまでの結果と合わせ、個人間、組織間、クローン間での分化特性の差を明らかとするとともに、本法が各種成体幹細胞の分化を誘導することが可能であること、特定の組織・臓器再生に最適な幹細胞(クローン)の選別および細胞の品質評価が可能であること、および患者個人個人に最適化できる個別化再生医療の確立に繋がる事を確認する。
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