研究課題/領域番号 |
22K10207
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
河原 博 鶴見大学, 歯学部, 教授 (10186124)
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研究分担者 |
河原 幸江 久留米大学, 医学部, 准教授 (10279135)
河端 和音 鶴見大学, 歯学部, 助教 (10908156)
山田 麻記子 鶴見大学, 歯学部, 非常勤講師 (20556526)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 作業記憶 / セボフルラン / C57BL/6Jマウス / Y字迷路 / ストレス / 精神鎮静法 / 抗不安薬 / 認知症 / マイクロダイアリシス |
研究開始時の研究の概要 |
歯科治療ストレスを軽減させる方法として、高次脳機能に作用機序をもつ薬物を用いた静脈内鎮静法が行われている。認知症患者が急増している我が国では、認知症患者への歯科治療ストレス軽減にも静脈内鎮静法が行われ、その臨床応用の機会が増えている。しかしながら認知症患者に対する静脈内鎮静法の安全性は殆んど検討されていない。本研究は、認知症への静脈内鎮静法の安全性について高次脳機能を中心に検討し、さらに、高次脳機能からも認知症に対して安全性の高い歯科治療ストレス軽減薬となる可能性のある薬物について同様の検討を行う。以上により、認知症に対してより安全な歯科治療ストレス軽減法開発の礎とすることを目的とする。
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研究実績の概要 |
C57BL/6Jマウスを用いてセボフルランの作業記憶への影響を、Y字型迷路を用いた空間作業記憶試験を行って以下の方法で検討した。C57BL/6Jマウス12週齢にボックス内でセボフルラン吸入を行う群と空気吸入を行う群を設定した。セボフルラン、空気吸入前の対照試験を2日に分けて2回行い、2回目の試験直後に、ボックス内でセボフルラン1.5MAC(minimun alveolar concentration)、もしくは空気を90分間吸入させた。そして吸入後1、3、5、7、10日後、さらに吸入後2週間から吸入後20週間まで1週間間隔、計24回(対照試験を含めて計26回)の空間作業記憶試験を行った。 その結果、空気群では、吸入前、吸入後20週間までの各時点で、総進入回数、交替反応、作業記憶に有意の変化がないことを確認し、セボフルラン群でも、同様に吸入前、吸入後20週間までの各時点で、総進入回数、交替反応、作業記憶に有意の変化がみられないことを観察した。また、空気群、セボフルラン群の群間でも吸入前、吸入後20週間までの各時点で有意差の見られないことを確認した。 次に、C57BL/6Jマウス40週齢に、前述の12週齢群と同様にボックス内でセボフルラン吸入を行う群と空気吸入を行う群を設定し、12週齢群と同様の方法でセボフルランと空気を90分間吸入させ、同様の空間作業記憶試験を行った。 その結果、12週齢群と同様に40週齢群でもセボフルラン群と空気群による総進入回数、交替反応、作業記憶に有意の変化がみられないことを観察し、空気群、セボフルラン群の群間でも吸入前、吸入後20週間までの各時点で有意差の見られないことを確認した。 以上から、90分間のセボフルラン吸入は若年マウスそして高齢マウスのいずれに対しても作業記憶に影響しないことが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
作業記憶試験に関する研究を中心に行い一定の研究実績を得たが、マイクロダイアリシスを用いた研究に関しては、統計処理による比較検討を行うまでの個体数に達していない。
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今後の研究の推進方策 |
マイクロダイアリシスを用いた研究を進捗させ統計処置による比較検討を進めていく。
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