研究課題/領域番号 |
22K10221
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
緒方 謙一 九州大学, 大学病院, 助教 (30778858)
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研究分担者 |
森山 雅文 九州大学, 大学病院, 助教 (20452774)
吉岡 弘毅 岐阜医療科学大学, 保健科学部, 研究員 (30756606)
中村 誠司 九州大学, 歯学研究院, 教授 (60189040)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | iPS細胞 / エクソソーム / 抗炎症作用 / ヘルパーT細胞 / シェーグレン症候群 / 歯髄幹細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、間葉系幹細胞から細胞外小胞(エクソソーム)が放出され、それが標的細胞に運搬されることで、様々な生物学的機能を持ち、それが治療効果をもたらすことが期待されている。われわれの過去の研究からヒト歯髄幹細胞の培養上清(CM)には骨髄由来幹細胞のCMより組織再生や免疫抑制因子が多く含まれていることが分かった。しかし、細胞の状態によってそれら因子が少ないものもあり、一定の品質を担保することが難しかった。 そこで、安定した品質を担保するため歯髄幹細胞をiPS細胞化し、それから安定したエクソソームが取り出し、それらを自己免疫疾患モデルマウスに投与することで治療効果の確認を行う。
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研究実績の概要 |
1. iPS細胞作製について ロンザ社より購入したヒト歯髄幹細胞をメーカー指定の専用培地で80%コンフルエントになるまで培養した。細胞を回収した後、プラスミドDNA (Oct3/4、Sox2、Klf4、c-MycおよびDsRed)(OPTI-MEMTMI : Invitrogen社)を作用させたのち、PLAT-E 細胞に滴下し培養した。培養11目からpuromycin 選択を開始し、歯髄幹細胞由来のiPS細胞を3種類樹立した(iPS 1, iPS 2, iPS 3と定義)。また、未分化性の確認については、Oct3/4およびSSEA-4による蛍光免疫染色を施行した。 2.iPS細胞からエクソソーム(EVs)回収について 樹立した3種類のiPS細胞からEVs回収にあたっては、Cellartis; DEF-CS8482; 500 Culture System(タカラバイオ株式会社)を使用した。培養方法については、過去の報告に準じて行った。80%コンフルエント時にCellartis; MSC Xeno-Free Culture Medium(タカラバイオ株式会社)に培地交換し、48時間後にCMを回収した。回収したCMを超遠心機(himac CP80NX:日立工機)を用いて4℃、100000 × gで70分間超遠心した。これを4回繰り返したのち、PBSに再懸濁し、実験使用まで-80℃で保存した。れらのEVsの形態と表面マーカーを調べたところ、EVsの大きさはともに200 nm前後であり、表面マーカーはCD9, CD81をともに認めた(図1b)。よって、樹立したiPS細胞は未分化性を有し、かつ細胞能力に差があることが示された。また、それらからのEVsは大きさや表面マーカーに違いは認められなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在までにiPS細胞の樹立とそれから回収したエクソソームの表面抗原の精査は終わっている。今後は、in vivoの実験に移って、その効果および作用機序を解明する。
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今後の研究の推進方策 |
今後は動物実験を使った実験を主に予定している。具体的には以下を予定している。 ・シェーグレン症候群モデルマウスを使用したiPS細胞由来エクソソームの治療効果の検討。検討内容としては、唾液量の検査、抗SS-A抗体・抗SS-B抗体の検査、唾液腺組織のHE染色、qPCRを行う。もし今後iPS細胞由来のエクソソームに治療効果が認められなくても、そのマイクロRNAを検索することで、今後の研究材料になると考えている。
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