研究課題/領域番号 |
22K10236
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57070:成長および発育系歯学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
北浦 英樹 東北大学, 歯学研究科, 准教授 (60295087)
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研究分担者 |
溝口 到 東北大学, 歯学研究科, 教授 (20200032)
野口 隆弘 東北大学, 大学病院, 助教 (20907430)
大堀 文俊 東北大学, 歯学研究科, 助教 (90937129)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 骨細胞 / 糖代謝 / 矯正学的歯の移動 / 破骨細胞 / マウス / 骨吸収 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、糖尿病、高血圧、肥満などの生活習慣病と骨代謝の関係が注目を浴びている。そこで本研究では糖代謝不全骨細胞の破骨細胞誘導能への影響を解明するために、糖代謝不全骨細胞をin vitroで作成し、さらに細胞内糖輸送に関連するグルコーストランスポーターであるGLUT1をコードするSlc2a1をloxPで挟んだSlc2a1tm1.1Stma マウスにDmp1-Creマウスを交配し骨細胞特異的にGLUT1遺伝子欠損することで骨細胞特異的糖代謝不全マウスを作成し、破骨細胞形成および骨吸収を解析し、骨細胞糖代謝の骨代謝および糖尿病へ関与、さらに矯正学的歯の移動への影響を明らかにする。
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研究実績の概要 |
近年、糖尿病、高血圧、肥満などの生活習慣病が増加している。また、矯正歯科領域においても様々な生活習慣病を有する患者が増加している。この中で糖尿病では、破骨細胞の増加により骨密度が減少し骨折のリスクが高くなることが大きな問題となっている。また、歯周病によって、歯槽骨吸収が増加することも糖尿病の大きな問題である。矯正歯科領域でも骨を吸収して歯が移動することから糖代謝は、重要な関係性があると考えている。近年、骨細胞が破骨細胞形成に重要な役割を果たしていることがわかった(Nakashima et al. Nat Med, 2011)。そこで本研究では糖代謝不全骨細胞の破骨細胞誘導能への影響を解明するために、糖代謝不全骨細胞をin vitroで作成し、さらに細胞内糖輸送に関連するグルコーストランスポーターであるGLUT1をコードするSlc2a1をloxPで挟んだSlc2a1tm1.1Stma マウスにDmp1-Creマウスを交配し骨細胞特異的にGLUT1遺伝子欠損することで骨細胞特異的糖代謝不全マウスを作成し、破骨細胞形成および骨吸収を解析し、骨細胞糖代謝の骨代謝および糖尿病へ関与、さらに矯正学的歯の移動への影響を明らかにすることが目的である。このマウスを作成するためにSlc2a1をloxPで挟んだSlc2a1tm1.1Stma マウスの凍結胚よりマウスを作成し、クリーン化を行い、繁殖を開始した。現在、骨細胞においてfloxed配列を切除するDmp1-Creマウスの凍結胚よりマウスを作成し、現在クリーン化をおこなっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
GLUT1をコードするSlc2a1をloxPで挟んだSlc2a1tm1.1Stma マウスおよびDmp1-Creマウスの到着が遅れたため、目的の骨細胞特異的にGLUT1遺伝子欠損することで骨細胞特異的糖代謝不全マウスの作成が遅れているため。
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今後の研究の推進方策 |
Dmp1-Creマウスが到着次第、グルコーストランスポーターであるGLUT1をコードするSlc2a1をloxPで挟んだSlc2a1tm1.1Stma マウスにDmp1-Creマウスを交配し骨細胞特異的にGLUT1遺伝子欠損することで骨細胞特異的糖代謝不全マウス(Glut1ocy-/-)を作成する。このマウスが出来次第Glut1ocy-/-マウスモデルの特性の検討する。GLUT1の発現を5-6日齢の野生型(Wild tpe以下WTとする)およびGlut1ocy-/-マウスの頭蓋骨にコラゲナーゼおよびEDTAを用いて段階的な酵素処理を行い、得られたFraction3-5の骨細胞リッチフラクションを回収する。骨細胞リッチフラクションにおけるGLUT1のmRNAレベルをreal-time RT-PCRで確認する。また、タンパク質レベルでは単離した骨細胞のウエスタンブロットを用いて確認する。 Glut1ocy-/-マウスとWTの骨細胞リッチフラクションの細胞をグルコースアッセイキットを用いてグルコースの取り込み率を比較する。モデルマウスの表現型を調べるGlut1ocy-/-マウスとWTの骨体積/海綿体体積、骨細胞数、骨芽細胞数、破骨細胞数/骨面積、皮質骨厚、海綿体骨厚等を組織形態学的な骨分析を用いて調べ比較する。Glut1ocy-/-マウスとWT から得た骨細胞および骨芽細胞の発現する分子をreal-time RT-PCRで調べる。オステオカルシン、RANKL/OPG、スクレロスチン、Dmp1、 FGF23、PHEXなど、骨のターンオーバー状態と骨のミネラルホメオスタシスを反映する分子を調べる。 Glut1ocy-/-とWTマウスのTNF-αやIL-6などの全身の炎症マーカーも測定する。
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