研究課題/領域番号 |
22K10267
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57070:成長および発育系歯学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
中村 由紀 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (70452779)
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研究分担者 |
今村 孝 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (10422809)
早崎 治明 新潟大学, 医歯学系, 教授 (60238095)
松原 まなみ 関西国際大学, 保健医療学部, 教授 (80189539)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 摂食機能 / 口腔機能 / 発達 / 摂食 / 口腔 |
研究開始時の研究の概要 |
2010年からの5年間で小児における食物の窒息事故死は100件以上発生している.子どもの食の安全を考えるとき,窒息の問題は検討すべき優先課題であるが,そのリスク評価において必要とされる離乳期以降の摂食機能の基礎的データは不足している.小児期に特徴的なの捕食時の口腔圧形成パターンの傍証があることから,本申請研究では離乳期以降の捕食動作に注目し,「捕食時の口唇閉鎖に伴う圧形成様式および捕食と呼吸との運動協調様式は,発達期の特徴を有し成熟過程で変化する」という仮説のもと,検証を行う.
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研究実績の概要 |
生涯を通じた口腔機能の獲得や維持・向上の重要性が社会的に広く認識されるようになり,食事の安全性の観点からも食べ方を含めた小児の摂食機能への関心は高まっている.小児期の食物窒息の問題点は,摂食の咽頭期におけるものだけでなく,食物認知から捕食に相当する先行期およびフードプロセスの過程における問題にも着目すべきと考え,小児期の捕食機能の解明研究に着手してきた.本研究では,離乳開始期以降のダイナミックな摂食機能の変化を,①口唇閉鎖圧と口腔内圧の形成・バランシングのメカニズム,②捕食時の呼吸様式の変移から解析を行い,捕食機能の発達におけるメルクマールを示すことで,食品の窒息リスク評価に寄与することを目的とした.研究2年目の今年度は,①について昨年度に引き続き口唇閉鎖不全と診断された小児を対象に,複合センサを用いた口腔機能評価を行い,口腔内圧を含むデータを収集している.また,口腔機能に問題のない正常群の口腔内圧,口唇閉鎖圧,口輪筋活動の関連について,研究結果をまとめ学術論文(Hozawa et. al. Journal of Oral Rehabilitation, 2024 研究代表者責任著者)を発表した.学童期以降の対象者からは,口唇閉鎖訓練介入群のデータも少しづつではあるが着実に収集できている.②については,昨年度解析を進めた捕食時呼吸相の吸気呼気割合について,また捕食前後における呼吸サイクルの変調について,解析結果をまとめR5年度の小児歯科学会中部地方会にて発表を行った.また,現在同内容についての論文執筆を進めている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
口腔機能に問題のない正常小児を対象とした,口唇圧と口腔内圧,口輪筋活動の関連についてまとめた学術論文を新しく発表している.また,捕食時の呼吸様式の変移については,昨年度成人および小児ともに一定の対象者からデータ収集を行っており,今年度は解析結果をまとめ分担研究者や関連分野の研究者らともディスカッションを進めた.現在学術雑誌へ投稿論文を準備中であるため,概ね順調に進展していると判断した.口腔習癖が捕食時口唇閉鎖機能に及ぼす影響については,少しずつではあるが介入群のデータ収集も進んでおり,計画通りR6年度にデータ解析を行う予定である.
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今後の研究の推進方策 |
捕食時の呼吸様式の変移については,昨年度研究発表を行い関連分野の研究者とのディスカッションを進めてきた.現在は論文執筆を進めており,今後は学術雑誌に発表予定である.口腔習癖が捕食時口唇閉鎖機能に及ぼす影響については,学童期の口唇閉鎖訓練介入群についてのデータも少しずつ集まっており,計画通りR6年度はデータ収集の継続とその解析を行う予定である.
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