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後天的な顎骨形態決定の鍵となる遺伝子の同定とそれに基づく不正咬合抑制への新戦略

研究課題

研究課題/領域番号 22K10271
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分57070:成長および発育系歯学関連
研究機関岡山大学

研究代表者

河野 加奈  岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (40780862)

研究分担者 早野 暁  岡山大学, 大学病院, 講師 (20633712)
山城 隆  大阪大学, 大学院歯学研究科, 教授 (70294428)
上岡 寛  岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (80253219)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
キーワードエピジェネティクス / 軟食 / 顎骨形態 / 顎骨形態変化
研究開始時の研究の概要

申請者らは、固形餌と粉末餌のそれぞれで飼育したマウスの咬筋サンプルにて、発現部位に差異を認めるゲノム上の領域を特定した。本研究では、この結果を踏まえ、塩基配列の変化を伴わない遺伝子発現の変化であるエピジェネティクスという概念に基づき、顎骨形態決定に関わる遺伝情報のエピジェネティックな制御システムを明らかにし、顎骨形態形成の鍵になる遺伝子を同定し、後天的な不正咬合の原因となる分子機構を解明する。

研究実績の概要

本研究では、塩基配列の変化を伴わない遺伝子発現の変化であるエピジェネティクスという概念に基づき、顎骨形態決定に関わる遺伝情報のエピジェネティックな制御システムを明らかにし、その下流に存在すると思われる、顎骨形態形成の鍵になる遺伝子を同定することで、後天的な不正咬合の原因となる分子機構を解明することを目的としている。
これまでに、実験的不正咬合モデルマウスの作製に成功している。モデルマウスの咬筋組織からサンプルを回収し、その咬筋組織の性質が、軟食では遅筋の性質が増し、Myh遺伝子群の発現様態に変化が生じることを確認した。ヒトにおいてもマウスにおいても顎態の変化にMyh1、Myh2の発現が関与しており、とくにハイアングル、オープンバイト症例においてMyh1、Myh2は減少することが示唆された。
またモデルマウスを用いた下顎骨の形態評価から、生後3から9週の間で食餌性状を一度変化させ、その後元に戻すことでキャッチアップ現象が生じるが、一定時期を超えるとキャッチアップ現象が生じなくなることも見出した。
さらに食餌性状の違いがマウス顎骨の形態に及ぼす影響を詳細に検討するために、主成分分析を使用して、サンプル全体のトポロジー変化を分析し、軟食サンプルと硬食サンプルの形態学的差異を説明する要因を特定した。これらの分析結果に基づき、正準判別分析を用いて、軟食サンプルと硬食サンプルの違いを説明する形態学的特徴を特定した。
また、今年度はATAC-sequence法を用いて解析を行い、これらの制御がエピジェネティックなシステムを介しているかどうか検証中である。ATAC-sequenceは終了しており、現在は解析結果を検討中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

実験的不正咬合モデルマウスからの形態評価は順調に進行している。
さらに、食餌性状を変化させることでMyh遺伝子群の発現様態に変化が生じることも見出している。
現在、クロマチンの展開部位をATAC-sequence法を用いて解析し、これらの制御がエピジェネティックなシステムを介しているかどうか検証中である。

今後の研究の推進方策

食餌性状を変化させて飼育したマウスの咬筋サンプル(咬筋細胞)を用いて、ATAC-sequenceを実施した。今後は結果を解析・検討していく。我々はこれまでに、マウス咬筋のRNAを用いてマイクロアレイを行い、これらの刺激に応答する遺伝子群を同定に成功しており、こらの遺伝子群の発現領域は、7番染色体の320000~350000の領域に集中していることが明らかになっている。今回のATAC-sequenceの結果は、マイクロアレイの解析結果を裏付けるものであったが、今後はこの領域から発現しているmRNAの情報を明らかにするため、次世代シーケンサーを用いたRNAシーケンス法を用いて、咬筋組織において本領域より転写産生されたmRNAのエクソン構造と遺伝子配列を同定する。この時、固形餌と粉末餌でそれぞれ飼育したマウスのサンプル間比較を行うことで、エピジェネティックな制御がなされている領域も特定することができる。以上で得られたゲノムの転写状況、ならびにクロマチン活性化様態の網羅的データを比較解析し、固形餌と粉末餌のどちらかで限定的に発現される遺伝子群の同定を行う。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Three-dimensional changes in the cranial base associated with soft-diet feeding2024

    • 著者名/発表者名
      Yuka Murata, Chihiro Tanikawa, Yuki Shiraishi, Toshihiro Inubushi, Kana Kono, Hiroshi Kamioka, Takashi Yamashiro
    • 雑誌名

      European Journal of Orthodontics

      巻: 46 号: 1

    • DOI

      10.1093/ejo/cjad058

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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