研究課題/領域番号 |
22K10273
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57070:成長および発育系歯学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
麻川 由起 (丹根由起) 広島大学, 医系科学研究科(歯), 助教 (50526241)
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研究分担者 |
谷本 幸太郎 広島大学, 医系科学研究科(歯), 教授 (20322240)
矢野下 真 広島大学, 医系科学研究科(歯), 助教 (20823199)
國松 亮 広島大学, 医系科学研究科(歯), 准教授 (40580915)
廣瀬 尚人 広島大学, 病院(歯), 講師 (50611935)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | Sema3A / 下顎頭軟骨 / Nrp-1 / 成長発育 |
研究開始時の研究の概要 |
下顎後退症は、先天的あるいは後天的な下顎骨の成長不全の結果生じる顎顔面形態の一様相であるが、この形態変化を決定する要因は不明な点が多い。これまでの研究結果より、Sema3A が培養軟骨細胞の初期分化段階で高発現し、Aggrecan やⅡ型コラーゲン発現を増加させることを明らかとした。Sema3A は軟骨の初期分化を促進している可能性が考えられるものの、その詳細なメカニズムは不明である。本研究は、Sema3A による下顎頭軟骨分化促進メカニズムを検証するとともに、Sema3Aの下顎後退症に対する新規治療法としての応用を最終的な目的とする。
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研究実績の概要 |
Sema3A は軟骨の初期分化を促進している可能性が考えられるものの、その詳細なメカニズムは不明である。本研究は、Sema3A による下顎頭軟骨分化促進メカニズムを検証することを目的とした。 前年度では、Nrp-1中和抗体存在下でSema3Aを添加した際の各種軟骨分化マーカー遺伝子発現への影響を検討した。その際、Nrp-1中和抗体は、Sema3AによるSox9遺伝子発現を有意に抑制した。また、typeIIcollagen遺伝子発現においても有意差は認められなかったが、抑制傾向を認めた。今年度では、Nrp-1中和抗体処理は、Sema3AによるSox9発現上昇を抑制したことから、軟骨細胞においてSema3AによるSox9発現促進にはNrp-1が関与していることが明らかとなった。 さらに、年齢が Sema3A および Sema3A レセプターの下顎頭軟骨および滑膜における局在と発現量におよぼす影響を検討するために、4, 8, 12 週齢 Wistar 系雄性ラットを用い、Sema3A レセプター(Nrp-1, Plexin-A)発現分布について免疫組織学的に検討した。また、各週齢別の血中Sema3A 濃度について比較検討した。下顎頭軟骨組織では、Sema3A,NRP-1およびPLXNA1の発現が増殖軟骨細胞層から前肥大軟骨細胞層にかけて明瞭に認められた。なお、週齢間での発現分布の違いは認められなかった。その一方、下顎頭軟骨組織のSema3Aタンパク濃度は週齢が増加するにつれて有意に減少する結果となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
週齢別のラットの血中Sema3A抽出方法を検討することに時間がかかったため、in vitroのシグナリング検討が今年度は行えなかった。次年度に検討する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、シグナリング経路について検討するため、Sema3A 添加時および Nrp-1中和抗体 を用いて Nrp-1 をブロックした際、Wnt5a および P13K/Akt 活性変化 をウェスタンブロット法にて分析する。また、Sema3AによるSox9発現促進においてもNrp-1の関与が明らかとなったため、このシグナリング経路についても検討を行っていく予定である。さらに、Sema3A の局在投与が下顎頭軟骨成長へ及ぼす影響 について、 8 週齢 Wistar 系雄性ラットの顎関節に局在投与を行い、顎関節矢状面の組織切片を作成し、HE 染色、トルイジンブルー染色を行い、軟骨構造変化について検証する。また、Sema3A、Sema3A レセプター、軟骨基質タンパク(Ⅱ型コラーゲン、aggrecan)および Has-2 発現について免疫組織学的に検討する。下顎頭よりタンパクを抽出し、ウェスタンブロット法にて上記タンパク発現量を定量評価する。
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