研究課題/領域番号 |
22K10276
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57070:成長および発育系歯学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
橋口 真紀子 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (10457658)
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研究分担者 |
佐藤 秀夫 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 講師 (40507125)
山本 祐士 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (50878270)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 非接触型バイタルセンシング技術 / オンライン嚥下機能診断システム / 小型3Dカメラ / 咀嚼検出アプリケーション / スマートフォンアプリ / おくちトレーナー / 特許取得予定 / 遠隔歯科医療 / 口腔内うがい / 口角変位量 / 特許取得 / 顔面動態 |
研究開始時の研究の概要 |
非接触型バイタルセンシングカメラから得られる体表面動態情報のうち、嚥下障害者の① 咀嚼嚥下時の経時的頭位、口唇動作および喉頭隆起変位量ならびに、②同時撮影をする嚥下透視検査から得られる画像から、準備期、口腔期、咽頭期、食道期における液体、固形食品の咀嚼、食塊形成、移送の内部嚥下動態を把握する。①、②データを同期して解析を行い、体表面動態情報と内部嚥下機能に関する相関性を導き出し、アルゴリズムデータを確立する。同データを活用して遠隔地からの嚥下機能情報を転送・解析する実証実験を実施する。
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研究実績の概要 |
本研究室では、非接触型バイタルセンシングカメラを用い、再現性を担保しつつ、口腔機能を定量評価することに成功した。これまで蓄積したノウハウを基に、口腔機能の評価・介入が可能となる機械学習搭載アプリケーションをスマートフォンに実装することで、口腔機能評価ツールとして臨床応用を目指した。企業(株式会社モアソンジャパン, 浜松市)と共同研究契約を締結して研究基盤となるスマートフォンの3Dカメラと機械学習搭載を活用した咀嚼機能判定アプリケーション(https://apps.apple.com/jp/app/おくちトレーナー/id6443540195)を開発した。顔面の動きから人工知能を活用して咀嚼状態を判定するのが特徴である。本アプリケーションを用いて咀嚼実態の解明を図るべく、平均年齢23歳の男性9名、女性10名に対して、特定規格の食パンおよび同種のトースト状態の咀嚼回数を計測した。咀嚼回数は男性よりも女性の方が有意に多く、1枚あたりの食事時間は女性の方が長かった。また、食パンよりもトーストの咀嚼回数が短いことが明らかとなった。このように本研究が咀嚼の実態調査に寄与することが明らかとなった。現在は咀嚼機能が乳幼児から青年期、老年期にかけて、発達、成熟、機能低下する状態を機械学習アルゴリスムを用いたAIにより明らかにする研究を進行している。さらに、本アプリケーションのプログラムに関して、知的財産(特許)の可能性を現在探索中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
非接触型バイタルセンシング技術を活用したオンライン診療の核となるスマートフォンアプリケーション(おくちトレーナー)の開発を達成した。本アプリケーションは咀嚼機能をスマートフォンカメラで撮影することで非接触での解析を実現した。現在、本アプリケーションを用いて、小児から成人までの咀嚼機能データの採取および解析を実施しており、研究計画の進捗状況は順調である。
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今後の研究の推進方策 |
1)咀嚼機能アプリケーションおよび筋電図を用いて、機械学習アルゴリズムから得られる咀嚼動態と実際の筋電図上の咀嚼筋の動きを同期することで、画像上の咀嚼動態のギャップを解析する。そのギャップを修正することで、本アプリケーションの咀嚼解析機能の向上を図る。 2)小児から成人までの各世代における日常的な咀嚼習慣および実態を本アプリケーションを用いて解明する。
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