研究課題/領域番号 |
22K10287
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57080:社会系歯学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
濃野 要 新潟大学, 医歯学系, 教授 (80422608)
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研究分担者 |
金子 昇 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (00397126)
島田 美恵子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 教授 (70413036)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 超高齢者 / 口腔機能 / 栄養摂取量 / フレイル |
研究開始時の研究の概要 |
近年、かむ力、舌の力、唾液の量といった口の機能の悪化に対して、口腔機能低下いう考え方が導入されるようになった。これは主に高齢者の健康のために利用されているが、高齢者であっても年代ごとに身体機能や活動の程度は異なると考えられる。そのため、口腔機能低下の基準も年代によって異なる可能性がある。そこで、本研究では、今後増加する90歳以上の地域在住超高齢者を対象として、口腔機能の低下と栄養摂取の変化・低下や運動量などの身体機能の変化・低下の関連を明らかにすることを目的とする。
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研究実績の概要 |
本研究は90歳以上の超高齢期における口の機能(口腔機能)低下の基準値を検討することを最終的な目的としている。本年度はその一部として、自身で自立して行動すること(以降、身体的自立)の維持の予測因子としての口腔機能の可能性を検討することを目的とした。本研究の対象者は継続調査に参加している94歳の地域在住超高齢者である。身体的自立の評価として老研式活動能力指標(以降IMIG-IC)を用いた。継続調査参加者であるため、90歳時に計算されたTMIG-ICスコア参照し、90歳から94歳スコアの変化を算出した。スコアの減少は自分でできることの減少を示す。また90歳時の口腔機能評価項目の測定値を参照した。本年の参加者は48名(男性18名女性30名)であった。TMIG-ICの平均値(±標準偏差)は回答が不十分であった1名を除き6.94±4.12であった。90歳および94歳両調査に参加された対象者は34名であり、そのTMIG-ICの平均値は90歳時、94歳時でそれぞれ11.00±2.67,7.91±3.85で有意に減少していた。口腔機能(7項目)の測定値とTMIG-ICスコアの変化量との間には相関が認められなかったが、90歳時点で舌圧が30kPa未満であったもののTMIG-ICスコアの減少は平均(±標準誤差)3.95±0.76であり、そうでないものの1.69±0.65と比べて有意に大きかった。また、スコアの減少を目的変数、舌圧の低下を説明変数とし、性別や栄養の状態、喫煙習慣等で調整した重回帰分析においても有意な関連を認めた。以上より、超高齢期において舌圧低下は身体的自立の低下の予測因子となることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は同一の対象者を追跡調査する研究である。研究全体の目的としては、90歳を超える口に関する機能(口腔機能)はどの程度維持すべきかを明らかにするものである。本年度はその中で、口腔機能のひとつである舌圧と身体機能の維持との関連、舌圧による身体機能低下の予測について関係を示すことができた。そのため、概ね順調であるといえる。
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今後の研究の推進方策 |
これまでは新型コロナウイルス感染症拡大予防の点から、高齢者を対象にした本調査は質問紙等の非接触調査を多く用いてきた。R5年度は対面による調査を企画し、実際の実施日程の決定および対象者の参加同意も済んでおり、計画は順調に進むことが想定される。そのため、精細な口腔機能検査による評価と運動機能や栄養摂取状況などの関連について明らかできるものと考える。調査に当たっては、引き続き感染症対策を講じて行うものとする。
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