研究課題/領域番号 |
22K10297
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57080:社会系歯学関連
|
研究機関 | 明海大学 |
研究代表者 |
佐藤 慶太郎 明海大学, 歯学部, 准教授 (10549041)
|
研究分担者 |
大内 基司 獨協医科大学, 医学部, 非常勤講師 (20409155)
大野 雄太 朝日大学, 歯学部, 講師 (30796644)
長瀬 春奈 朝日大学, 歯学部, 助教 (40888799)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | 唾液腺 / 口腔乾燥症 / 脂肪酸輸送体 / 唾液分泌 / パルミチン酸 |
研究開始時の研究の概要 |
口腔乾燥症(ドライマウス)をきたす患者は壮年層から高齢層に多い。そのため、老化は唾液腺の分泌機能を低下させると考えられている。一方で、三大唾液腺のひとつである耳下腺への加齢の影響は未だ不明である。このことが、ドライマウス発症メカニズムの解明を難しくしている。 本研究は、耳下腺への加齢の影響を「脂肪酸の取り込み」と「脂質ラフト」という新しい観点から検討し、ドライマウス発症メカニズムの解明を目指す。研究成果は唾液分泌メカニズムの重要な知見となり、国民の健康寿命の延伸に貢献することが期待できる。
|
研究実績の概要 |
マウス耳下腺に発現する脂肪酸輸送体CD36のパルミチン酸取り込みへの関与を検討した。8週齢および72週齢のマウスから耳下腺を摘出し、CD36阻害剤スルホスクシニミジルオレート存在下または非存在下にて放射性同位元素で標識したパルミチン酸を20分間作用させた。その後、完全燃焼装置を用いて耳下腺に取り込まれた放射性同位元素量を測定した。 8週齢のマウスから摘出した耳下腺では、スルホスクシニミジルオレートにより放射性同位元素の取り込み量が有意に減少した。一方、72週齢のマウスから摘出した耳下腺では、スルホスクシニミジルオレートによる放射性同位元素の取り込み量の有意な減少を検出しなかった。以上のことから、8週齢のマウス耳下腺ではCD36がパルミチン酸の取り込みに関与する一方、72週齢のマウス耳下腺ではCD36以外の因子もパルミチン酸の取り込みに関与することが示唆された。 また、マウスの唾液分泌におけるCD36の関与を検討した。8週齢および72週齢のマウスにスルホスクシニミジルオレートを前投与した後、ムスカリン受容体アゴニストであるピロカルピン刺激による唾液分泌量を測定した。その結果、8週齢のマウスではスルホスクシニミジルオレートにより唾液分泌量の有意に減少した。一方、72週齢のマウスではスルホスクシニミジルオレートによる唾液分泌量の有意な減少を検出しなかった。 これらから、マウス耳下腺のCD36を介する脂肪酸取り込み機構と唾液分泌への関与は加齢によって変化することが考えられた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
CD36の唾液分泌への関与はマウスの週齢により変化する可能性がある。このことは耳下腺の脂質ラフト自体も加齢により変化することを示唆するものである。本研究課題のターゲットである「加齢耳下腺の脂質ラフト」を起点としたドライマウス病態へのアプローチを担保すると考えられ、研究課題の進捗状況は概ね順調と言える。
|
今後の研究の推進方策 |
8週齢と72週齢のマウス耳下腺におけるCD36の細胞内局在をウェスタンブロッティングおよび免疫蛍光染色にて検討する。さらに、8週齢と72週齢のマウス耳下腺より脂質ラフトを分離調整し、CD36をはじめとした機能分子の発現を解析する。
|