研究課題/領域番号 |
22K10300
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57080:社会系歯学関連
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研究機関 | 日本歯科大学 |
研究代表者 |
市川 陽子 日本歯科大学, 生命歯学部, 非常勤歯科医師 (90380857)
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研究分担者 |
岩田 洋 日本歯科大学, 生命歯学部, 准教授 (40328860)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 嚥下関連筋 / elastography / 筋質 / 舌 / 口腔機能低下 / 超音波診断装置 / エラストグラフィ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は骨格筋で加齢や疾患によって起こるとされる「筋線維」と「筋線維をとりまく組織」の変化を超音波診断装置によるShear wave elastographyの「硬さ」として表現し、新しい舌筋の質的評価法を確立しようとするものである。舌の評価はこれまで、筋力 、巧緻性、嚥下造影検査による舌の動き、舌の動きや容積の計測によって行われてきた。しかし、舌内部の質的な状態は、十分に検討されているとはいえない。本指標の確立は、舌内部の新たな評価指標を加えることができ、病態に応じた機能訓練方法の立案につながるため、高齢者および摂食嚥下障害患者の舌機能評価およびリハビリテーションの重要な足がかりとなる。
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研究実績の概要 |
本研究は骨格筋で加齢や疾患によって起こるとされる「筋線維」と「筋線維をとりまく組織(水分や脂肪、結合組織)」の変化を超音波診断装置によるShear wave elastography(せん断波エラストグラフィ)の「硬さ」として表現し、新しい舌筋の質的評価法を確立しようとするものである。 本年度は、予備研究として、あらかじめ硬さの定まっている4種類のphantomの硬度測定結果をもとに、超音波診断装置LOGIQ P9にて、せん断波で組織硬度を計測するshear wave elastographyと組織に歪みを生じさせて硬さを計測するStrain elastographyの2つの方法で健常成人のオトガイ舌筋およびオトガイ舌骨筋を計測し、計測値を変換して比較を行ったところ、Strain elastographyよりshear wave elastographyのほうがよりオトガイ舌筋やオトガイ舌骨筋の計測に向いていると考えられた。次に、健常成人ボランティアのオトガイ舌筋中央、オトガイ舌筋後方、オトガイ舌骨筋、コントロールとして咬筋、大腿直筋の硬さを計測し、オトガイ舌筋、オトガイ舌骨筋の硬さと、舌断面積、オトガイ舌骨筋断面積、咬筋の硬さ・厚み、大腿直筋の硬さ・厚み、舌圧、握力、体格指数 (BMI)、骨格筋指数(SMI)との関連を検討した。結果として、オトガイ舌筋中央、オトガイ舌筋後方、オトガイ舌筋後方の硬さの平均はそれぞれ7.1kPa、9.3kPa、8.8kPaであった。重回帰分析にて、オトガイ舌筋後方の硬さはBMIと負の関連がみられ、オトガイ舌骨筋の硬さはBMIと正の関連がみられた。健常成人にては、オトガイ舌筋後方は、オトガイ舌骨筋と比較するとBMIとの関連で異なる特徴をもち、体格による体脂肪の影響をよりうけると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、健常成人にて、せん断波エラストグラフィにてオトガイ舌筋・オトガイ舌骨筋の硬さを測定し、これらの筋の硬さと体組成との関連を検討した。解析の結果、オトガイ舌筋後方の硬さはBMIと負の関連がみられ、オトガイ舌骨筋の硬さはBMIと正の関連がみられた。今後さらなる検討を行っていく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、高齢者および摂食嚥下障害を有する患者へ対象者を広げる。計測した各項目の関連性の検討を行い、関連がある組み合わせの項目を抽出する。さらに基準値設定を行った上で診断精度を算出する。舌筋の硬さが口腔機能および身体機能とどのように関連するか検出し、硬度を含め、舌質の評価において、どの組み合わせが舌質および舌機能を最も反映するか検証する。
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