研究課題/領域番号 |
22K10305
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57080:社会系歯学関連
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研究機関 | 日本歯科大学東京短期大学 |
研究代表者 |
大島 克郎 日本歯科大学東京短期大学, その他部局等, 教授(移行) (40409230)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 受療行動 / 医療費支出 / 保険外治療 / 定期管理 / 欠損補綴 / 定期受診 |
研究開始時の研究の概要 |
欠損補綴治療に伴う受療行動のうち,治療時の医療費支出と治療後の管理に着目した分析はほとんど見当たらない.本研究の目的は,欠損補綴(義歯・インプラント補綴等)装着者等を対象に,欠損補綴の保険外治療の選択と,治療後の定期受診行動について,それぞれの規定要因を明らかにすることである. 本研究では,患者の欠損補綴治療に対する需要等を詳細に把握することで,今後も欠損補綴治療が必要な者が多く存在すると予測されるなかで,患者視点に立った歯科医療を提供するための方策に資するデータを得ることを目指す.
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研究実績の概要 |
本研究では,欠損補綴治療に伴う受療行動のうち,治療時の医療費支出と治療後の定期管理に焦点を当てた分析を行う.研究2年目(2023年度)は,大きく以下2点の分析を実施した. 1)日本の欠損補綴治療の現状を把握するため,医療保険制度下での各種欠損補綴の需要を分析した.方法は,社会医療診療行為別統計等のデータ(2005~2022年)を用いて,①ブリッジ,②部分床義歯(少数歯欠損),③部分床義歯(多数歯欠損),④全部床義歯について,算定回数の推移を評価した.その結果,50歳以上の者における算定回数(人口千対)の推移は,①と②は横ばい~漸減傾向,③と④は減少傾向を示していた. 2)欠損補綴治療における保険外治療の選択と個人の特性との関連を評価した.方法は,現在歯数20歯未満の者のうち,義歯,ブリッジまたはインプラント治療の経験がある50~74歳の者653人を対象に,各々の欠損補綴の保険外治療の有無を被説明変数,基本属性・歯科保健行動等を説明変数とし,修正ポアソン回帰モデルを用いて分析した.その結果,義歯装着者のうち保険外治療を選択する者は,統計学的有意に男性が少なく(PR: 0.45),世帯収入の高い者が多かった(PR: 2.62).ブリッジ装着者のうち保険外治療を選択する者は,定期的に歯科健診を受診している者が多かった(PR: 1.68).欠損補綴装着者のうちインプラント補綴装着者の特性として,歯間清掃を習慣的に行い(PR: 1.89),定期的に歯科健診を受診している者が多かった(PR: 2.00).以上から,各種欠損補綴治療における医療費支出と個人の特性との関連を把握することができた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究2年目(2023年度)においては,日本の医療保険制度下での欠損補綴治療の推移等を把握し,また,欠損補綴治療における保険外治療の選択と個人の特性との関連を評価し,本研究課題を遂行するうえでの各種データを得ることができた. 以上のことから,本研究課題の進捗状況に関しては,現時点においておおむね順調に進展している.
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究計画として,欠損補綴治療における医療費支出・定期管理とその関連要因について分析・取りまとめ等を行う.
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