研究課題/領域番号 |
22K10318
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57080:社会系歯学関連
|
研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
有川 量崇 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (50318325)
|
研究分担者 |
五十嵐 憲太郎 日本大学, 松戸歯学部, 助教 (00843971)
Bhawal Ujjal 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (50433339)
田口 千恵子 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (80434091)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 唾液 / 咀嚼力 / ドライマウス / 唾液腺 / 認知機能 |
研究開始時の研究の概要 |
中枢性神経系疾患患者は脳の恒常性機能の破壊から概日リズムの異常を生じ、睡眠障害をきたすと考えられている。体内時計システムの障害は、記憶障害や注意障害などの認知障害に影響を及ぼす可能性がある。そこで、本研究では、唾液腺機能障害者の認知障害である注意障害、記憶障害、遂行機能障害と咀嚼意識、咀嚼行動および咀嚼力との関連性を明確にし、咀嚼力の向上が唾液腺機能障害者の認知障害の回復および改善に与える影響を明らかにする。さらに、概日リズムの異常が認知障害に及ぼす影響について検討する。
|
研究実績の概要 |
概日リズムの異常から睡眠障害がきたされることについて,動物実験を継続した。高齢マウスの脳組織でmiR-200a-3p の発現レベルが有意に増加した。老化したマウスは脳機能障害を発症し,線維症,アポトーシス,オートファジー,炎症などの病理学的変化を示した。Twist 野生型および変異体 (Twist-WT/MUT) プライマーを設計し,さらに RT-qPCR によって合成した。続いて,Twist野生型フラグメントと変異フラグメントを,T4リガーゼを使用してベクターに別々に連結した。HEK293T 細胞に miR-200a-3p mimics/NC および Twist-WT/MUT ベクタープラスミドを室温でトランスフェクトし,ルシフェラーゼ活性を検出した。miR-200a-3p の上昇により,Twist-wt のルシフェラーゼ活性は実質的に減少したが,Twist-mut によりこの効果が無効となった。miR-200a-3p は,Twistと相互作用して脳の老化を促進したと考えられる。 咀嚼に関する予備的研究として, 脳外科に入院した死亡退院を除く65歳以上の高齢者を対象とし, 診療録による後方視的調査を行った。栄養状態の指標として, 血中アルブミン値(Alb値), 経口摂取指標(咀嚼、嚥下が行える)としてFood Intake LEVEL Scale (FILS)を用いて, 入退院時のAlb値およびFILSの検討を行った。また, 入退院時それぞれにおける代替栄養群(FILS:1~6), 経口摂取群(FILS:7以上)の2群に分け, 平均在院日数を比較した。入退院時のAlb値およびFILSに有意差は認められなかった。経口摂取が可能であった患者は代替栄養群に比較し, 有意に在院日数が少なかった。在院日数の減少には, 退院時FILSの影響が強いことが示唆された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前年度においては、新型コロナウイルス感染症の影響により、臨床研究を実施できる環境ではなかったが、今年度は、臨床研究が一部実施可能となり一定の結果が得られたが、認知機能との関連を明確にするところまで進んでいないため、次年度には進めていく予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
唾液腺機能障害者の認知障害と咀嚼意識と咀嚼行動を質問紙調査票で実施し、ガム法による咀嚼力、舌圧を用いて嚥下機能を測定し、その関連性を検討する。 対象者の認知障害の程度をMMSE (Mini-Mental State Examination)、 WAIS (Wechsler Adult Intelligence Scale)、 CAT (Clinical Assessment for Attention)を用いて評価する。咀嚼意識・咀嚼行動は自記式質問紙調査票を用いる。咀嚼力は直接的咀嚼力を(株) ロッテ社製キシリトール100%ガムを用いたガム法で評価し、咀嚼に関連する指標として舌圧をJMS舌圧測定器および舌圧プローブを使用し評価する。統計ソフトSPSS 27.0Jを用いて解析し、認知障害の程度と咀嚼意識・咀嚼行動・咀嚼力との関連性を検討する。
|