研究課題/領域番号 |
22K10329
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57080:社会系歯学関連
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研究機関 | 徳島文理大学 |
研究代表者 |
中江 弘美 徳島文理大学, 保健福祉学部, 准教授 (00709511)
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研究分担者 |
吉岡 昌美 徳島文理大学, 保健福祉学部, 教授 (90243708)
西川 啓介 徳島文理大学, 保健福祉学部, 教授 (10202235)
十川 悠香 徳島文理大学, 保健福祉学部, 講師 (60804721)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | オーラルフレイル / 口腔機能低下症 / 口腔内残留 / 濁度 / 中年期 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、いくつかの研究で口腔機能低下症の症状が高齢期前から出現することが報告されており、オーラルフレイルをより早い時期に検知し対処する必要性が示されている。しかしながら、現時点ではオーラルフレイルに特化した検査法は確立されておらず、口腔機能低下症の診断基準に準じた判定で、基準値以下の該当項目数をもってオーラルフレイルの指標としている状況である。本研究では中年期からの自覚症状として認識されている「口腔内残留」に着目し、これを客観的に測定する手法を開発し、オーラルフレイルの症状およびリスクを総合的に評価する指標としての妥当性、有用性を検証することを目的とする。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、軽微な口腔機能低下の自覚症状として中年期の人々に認識されている嚥下時口腔内残留を定量化する手法を確立し、オーラルフレイルのリスク評価方法としての妥当性、有用性を検証することである。今年度は、被検食品摂取後の口腔内残留を濁度による測定により、軽微な口腔機能低下が定量可能か予備実験を行った。また、被検食品の選択と摂取量、摂取方法の至適条件について検討した。 以前、我々が、嚥下補助食品の摂取が食品の口腔内残留量に及ぼす影響を報告した(吉岡昌美 他,口腔衛生会誌,2012)研究で、被検食品として用いたクッキーの粉砕物は口腔内で一定量残留する性質があり、残留量を洗口吐出液の濁度として数値化できることを確認している。今回、クッキーの他にあらたな種々の被検食品を検討した結果、咀嚼の影響が少ない“ボーロ”が被検食品として最適であるという結論に至った。予備実験として、細粒化したボーロの重量と濁度の関係(検量線)を求めた。ボーロの重量と濁度の関連性を分析した結果、正の相関が認められ、濁度計に表示される値は、懸濁液に含まれるボーロの重量とほぼ直線関係にあることが分かり、濁度によって口腔内残留量の相対量を計量できることが可能となった。 また、本学教員・学生を被検者とし、口腔内残留測定試験を行い、ボーロを用いた口腔内残留量の定量化・スコア化について至適条件を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画していた被検食品を用いた口腔内残留の定量化について予備実験を行い、被検食品の選択と摂取量、摂取方法の至適条件について検討し測定方法を確立した。また、次年度実施する口腔内残留測定及びその関連因子の調査内容についても検討し、本学の倫理審査委員会の承諾を得ている。
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今後の研究の推進方策 |
2023年は、口腔内残留で定量化される“口腔クリアランス力”の低下は、中年期に発現するオーラルフレイルを早期に検知する指標となるか、観察研究にて検証を行う予定である。具体的には、本学教職員、社会福祉法人の健康診断受診者を対象に、質問紙調査、口腔内診査、口腔機能測定を行い、口腔内残留と各調査・測定項目との関連性を統計学的に分析する。また、これらによって得た知見を学会において報告する予定である。
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