研究課題/領域番号 |
22K10340
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57080:社会系歯学関連
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
新林 友美 島根大学, 医学部, 技術専門職員 (50529675)
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研究分担者 |
遠藤 昭博 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 准教授 (00619728)
田辺 一明 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 教授 (30236658)
臼田 春樹 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 助教 (30707667)
和田 孝一郎 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 教授 (90263467)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 口腔内細菌叢 / 心血管病変 / Gemella / 高病原性口腔内細菌 / 保菌率 / cardiovascular disease / oral microbiome |
研究開始時の研究の概要 |
これまで我々は、う蝕(虫歯)や歯周病の原因となる口腔内細菌が脳卒中や非アルコール性脂肪肝炎などの全身疾患を誘発する機序を世界に先駆けて明らかにしてきた。最近、心血管病変患者を対象に予備的な検討を行ったところ、これまでに心血管系の疾患との関連性が報告されていない特定の口腔内細菌の割合が健常者よりも高いことを見出した。そこで本研究ではこの細菌を中心に、種々の口腔内細菌の保菌と心血管病変との関連を詳細に検討する。
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研究実績の概要 |
心疾患(心房細動:AF、狭心症:AP、大動脈狭窄症:AS)を有する被験者と心疾患やその他全身疾患のない被験者(健常者)で口腔内細菌叢を構成する細菌種の網羅的な解析を行った。解析は健常者24名、各心疾患の被験者22-33名を対象とし、属レベルと種レベルでそれぞれ行った。なお、解析対象とした細菌は細菌叢の全体のうち、1%以上のpopulationを占める菌とした。属レベルで健常者との比較を行った解析した検討では、APの被験者においてVeillonella属とOribacterium属の減少が認められた. ASの被験者では、Streptcoccus属とGemella属の増加、Fusobacterium属の減少が認められた。AFの被験者では増減が認められた細菌はなかった。一方、種レベルの解析ではどの心疾患の被験者でも健常者に比べてRothia mucilaginosaの減少が認められた。また、Gemella cunicula、Gemella sanguinis、Gemella haemolsansの増加が認められた。 以上の検討結果から、心疾患ごとに関連が認められた細菌は異なる可能性が示された。一方で、Gemella種の増加はどの心疾患にも認められたことから、この細菌が種々の心疾患に共通して関連性がある可能性が考えられる。実際にGemella属の菌による感染性心内膜症の症例が散見されていることから、Gemella属が心疾患の発症や増悪に関与する可能性が推察される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
健常者の増やす予定であったが、諸事情によりこれまで集めた例で検討を行った。その点を除けば次世代シーケンサーによる解析も行うことができたので、研究はおおむね予定通り進められたことから、順調に進展していると考えている.
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今後の研究の推進方策 |
被験者の症状を反映するパラメータと口腔内細菌との関連性を検討し、各疾患と口腔内先菌との関連性を検討していく。
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