研究課題/領域番号 |
22K10349
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57080:社会系歯学関連
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研究機関 | 日本歯科大学 |
研究代表者 |
田中 聖至 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 准教授 (00350166)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 歯科医学教育 / 眼球運動 / fNIRS / 視覚素材 / 情報探索パターン / GSR |
研究開始時の研究の概要 |
1)視覚素材観察時の歯科医学生の視知覚認知パターンを比較検討する。同時に、光イメージング脳機能測定装置を用いて眼球運動測定時の前頭葉の活動を測定する。心理状況を把握するために、STAIやMASを行う。 2)効率的な視知覚認知パターンを示す学習者と非効率な視知覚認知パターンを示す学習者の間で前頭前野の活動や心理状況に違いがあるか分析する。 3)非効率的な眼球運動を有する学習者の眼球運動を変化させ、脳機能および心理状況がどのように変化するか探索する。
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研究実績の概要 |
これまでの眼球運動パターンは、RINEARN Graph 3D(https://www.rinearn.com/ja-jp/graph3d/)を用いて視線をアニメーション化し、視覚的に分類を行っていた。今年度はより客観的に眼球運動パターンを定義するために、アルゴリズムを用いた分類を試みた。 視線情報はパノラマX線写真の上顎中切歯正中を原点としてx,y座標で表されるため、第1~4象限間の停留点および視線の移動をモノトーンチェーンアルゴリズム(Andrew AM et. al. 1979)を用いて右回り、左回り、サッケードに定義した。 眼球運動パターンと読影成績に関連を認め、右回りの眼球運動パターンを示す学生は読影成績が高く、サッケードパターンの学生は読影成績が低かった。さらに、瞬目と瞳孔面積を分析したところ、サッケードパターンの学生は、他の眼球運動パターンの学生に比べ、瞬きの頻度が多く、瞳孔面積が狭小だった。瞬目と瞳孔面積の状態から、サッケードパターンの学生は、課題に対する関心度が低いことが示唆された。この結果は、Evaluation of eye movement patterns during reading of mixed dentition panoramic radiographs in dental students. として、Pediatric Dental Journal 33(1) 2023 pp 33-41に発表した。 OEG-16を用いて脳賦活部位同定中だが、個々のchでは関連が認められないため、ch1~6をRPFC、ch7~10をMPFC、ch11~16をLPFCと3分割して脳賦活を検討中である。mPFC は嫌悪刺激で賦活することが知られている(Ozawa S. et. al. 2014)ため、読影時の感情の把握も検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
fNIRSを用いた、視覚素材(混合歯列期小児パノラマX線写真)読影時の脳機能賦活部位の同定が困難なため。
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今後の研究の推進方策 |
個々のch評価では、一貫性が認められないことが多いため、前頭葉を、RPFC、MPFC、LPFCと3分割して賦活部位の探索を継続する。嫌悪でMPFCの賦活が認められる他、恐怖を感じているとLPFCが活性化することも知られている(Sklivanioti Greenfield M. et. al. 2022) ため、同定部位を3分割することで、学生の読影時の感情評価も期待できる。また、R/LPFCのバランスからストレスを評価するLIR(Ishikawa W. et. al. 2013)も測定可能であり、HPA軸の活性化にRPFCが関与していることも認められる(Tanida M. et. al. 2007)ため、読影中のストレスと眼球運動の関連についても検討を行う。
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