研究課題/領域番号 |
22K10351
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57080:社会系歯学関連
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研究機関 | 神奈川歯科大学 |
研究代表者 |
武村 幸彦 神奈川歯科大学, 歯学部, 特任講師 (80573584)
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研究分担者 |
向井 義晴 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (40247317)
讃岐 拓郎 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (40533881)
城戸 幹太 北海道大学, 歯学研究院, 教授 (40343032)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ストレス / 歯科恐怖症 / 薬物行動療法 / 静脈内鎮静法 / アミラーゼ / 異常絞扼反射 |
研究開始時の研究の概要 |
① 歯科恐怖症患者におけるストレスの定量評価:唾液を経時的に採取し、ストレスマーカーとされる各バイオマーカーを測定する。 ② Visual Analog Scale(VAS)を用いたストレス評価:ストレスの主観的評価としアンケートを行い、VASを用いて数値化する。 ③ Green Light Therapy:緑色光曝露法は、緑色ゴーグルを用い来院時から治療終了時までの経時的ストレス評価を行う。 ④ Patient-controlled Sedation(PCS)評価:患者自身が必要に応じてポンプのボタンを押すことで鎮痛薬を経静脈的に自己投与する方法で不安や恐怖という主観的な感覚を数値化する。
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研究実績の概要 |
歯科治療は内科的から外科的治療まで多岐にわたり、患者もどのような治療を受けているか理解しにくい。口腔内で行われている治療は直視できないため、不安を増長させる要因となる。Visual Analog Scale (VAS) を用いて、歯科恐怖症患者の不安の特性を治療内容ごとに比較し検討した。 被験者は男女130名(通常患者75名 歯科恐怖症患者[静脈内鎮静法を経験]55名)を無作為に抽出した。評価項目は、(1)歯の削合、(2)印象採得、(3)修復物装着、(4)根管治療、(5)スケーリング、(6)ポリッシング、(7)歯周組織検査、(8)抜歯、(9)インプラント、(10)義歯、(11)口内法エックス線撮影、(12)口外法エックス線撮影、(13)口の中への麻酔針刺入、(14)手への麻酔針刺入、(15)歯科治療に対する恐怖感、(16)今後も歯科治療の継続を希望するか、の16項目とし苦痛や不安を感じる度合いをVASを用いたアンケート調査で評価し、通常の患者と歯科恐怖症患者の比較検討を行った。 結果は、両群とも抜歯の値が最も高く、歯科恐怖症患者はすべての治療項目で高値を示したものの、口外法エックス線撮影や手への麻酔針刺入のように直接口の中に関与しない項目では有意差が認められなかった。このことから、歯科恐怖症患者は口腔内の治療に対して特に大きなストレスを感じていることが推察された。また、歯科恐怖症患者の方が今後も歯科治療の継続を希望していることが示され、通いたくても通えない現状が浮き彫りになった。したがって、薬物療法や行動療法を含めたストレス軽減方法を検討することが重要であると考えられる。 VAS評価は、歯科恐怖症患者と通常患者の比較を行う上で有用な方法であり、歯科恐怖症患者は大きな恐怖や不安を感じながらも、歯科治療を継続したいという希望を持っていることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究の遂行が遅れている理由は、臨床研究対象者が歯科恐怖症であり、通常通りの来院が困難であることに起因する。また、同一被験者からの唾液サンプルを複数回採取する必要があるため、アミラーゼやコルチゾールのデータ収集が難航している。特に、歯科治療の複数回にわたる実施が困難なケースが多く、データの収集が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
歯科治療の前、中、後に唾液を経時的に採取し、これまでストレスマーカーとして報告されている各バイオマーカーを測定する。同時にバイタルサインの測定も行う。急性ストレス評価にはα-アミラーゼを唾液アミラーゼモニターを用いて測定し、慢性ストレス評価にはコルチゾールを採取して分析する。現在、アミラーゼのデータ採取はおおむね完了しているが、コルチゾールのデータ採取が遅れているため、早急に進める必要がある。また、青色や赤色の効果も検証し、色に対するストレス評価を行う。
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